【どう見るこの相場】企業決算発表控えて個別物色か、米長期金利上昇・円安好感して大型株物色か

どう見るこの相場

■7月下旬の企業決算を控えるが、米長期金利上昇・円安好感の可能性も

 今週7月10日~14日の株式市場は、7月下旬から本格化する日本の4~6月期決算発表を控えて様子見ムードが継続するのか、それとも前週末7日の米6月雇用統計通過後の米長期金利上昇とドル高・円安の流れを好感するのかが焦点となる。

 前週7月3日~7日は、為替が1ドル=113円近辺とややドル高・円安水準で推移したが、安倍内閣の支持率急落による政治リスク、北朝鮮のICBM発射による地政学リスク、さらに国内外における長期金利急上昇などに対する警戒感も強まり、日経平均株価はやや調整色を強める動きとなり、2万円台を割り込んで1週間の取引を終了した。

 しかし前週末7日発表の米6月雇用統計で、賃金上昇率は力強さに欠けたものの、非農業部門雇用者増加数が市場予想を大幅に上回る強い結果だったことを受けて、米10年債利回りは2.4%台、為替は1ドル=114円台を付ける場面があった。そして米国株もNYダウ30平均株価、S&P500指数、ナスダック総合指数が揃って反発した。

 今週は、7月下旬から本格化する日本の4~6月期決算発表を控えて様子見ムードが継続し、基本的には好材料の個別物色の流れが継続しそうだが、12日~13日のイエレン米FRB(連邦準備制度理事会)議長の議会証言、米主要企業の4~6月期決算などで米景気の堅調さが確認されれば、米10年債利回りの上昇と為替のドル高・円安が一段と進む可能性も考えられる。

■米長期金利上昇・円安で大型株へのシフトの本格化が焦点

 物色面では、けん引役だった人気株が調整色を強めてきた。好決算でも発表後に急落するといった決算発表シーズン特有の動きも見られるようになった。テーマ性の強い中小型株物色が最終盤に差し掛かった印象が強い。

 米10年債利回りの上昇と為替のドル高・円安が一段と進んだ場合に、大型株物色が本格化するかどうかが焦点となりそうだ。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る