ラ・アトレのカンボジア不動産開発プロジェクト(第3回)

【カンボジアの現状や経済発展とラ・アトレの取り組み】

総人口は2076年まで増加と推測され高度成長の真っただ中

 ラ・アトレ<8885>(JASDAQ)は2017年4月、経済成長の著しいカンボジアの首都プノンペンの一等地に地上26階建てのタワー型高級コンドミニアム(分譲型マンション)の開発を開始した。カンボジアは、人口が1470万人(2013年外務省データ、IMFデータでは1570万人)で、そのうち半数を25歳以下の若年層が占めている。若者の人口比率が高いことも魅力のひとつだ。国連による人口予測では、総人口は2076年まで増え続け、労働力人口は2045年まで増え続けるとされている(世界の推計人口2017より)。まさに、いま、高度成長の真っただ中にある国である。

国家再建の当初から協力と支援を行い、日本に対する国民感情はかなり良好

 カンボジアといえば、まだ内戦の傷跡が癒えない国というイメージがつきまとうが、内戦が終結してからすでに25年近くになる。日本との縁は意外に深く、内戦終結前後の1992年に国連の平和維持活動組織「UNTAC」(国連カンボジア暫定統治機構:明石康事務総長)が民主政権の樹立に向けて活動を開始し、93年には国民議会選挙で民主政権が誕生。ここから名実ともに平和国家としての再生が始まった。

 この過程で、日本は、政府をはじめ、企業や非営利組織による援助など、当初から同国に有形無形の協力を続けてきた。このため、「日本に対する国民感情はかなり良好なレベルといえる」(ある外務省OB)という。文化交流の面でも、古くはカボチャの語源は同国から伝来したとされるし、マラソンランナーの猫ひろしさん、アンコールワット観光など多彩。両国は、市民レベルの交流でも話題に困らない関係にあるといっていい。

 法律の整備についても、「カンボジア政府から我が国に対して法整備支援の要請がなされ」「日本の法務省も参加して法整備支援を行った」(法務省のホームページ「法務総合研究所国際協力部・カンボジア」より)。このため、民法や会社法などは日本の法律と概念が似ているといわれる。

大幅なインフラ整備が進み、半年経つと街並みが変わっているほど発展

 首都プノンペンには、約10年前まで高層建築物はほとんどなかったが、現在はビルが立ち並び、クルマの渋滞も激しく、大幅なインフラ整備が進み、信号機の増設やバイパスの設置なども進んでいる。「半年経つと街並みが変わっているほど発展が著しい」(同社の担当者)という。日本人駐在員の増加も著しく、在留邦人数は3000人を突破した(2017年5月、外務省発表資料より)。2014年にオープンしたイオングループ<8267>(東1)のイオンショッピングモールは、カンボジアで最大のショッピングセンターとして人気を集めている。JICA(国際協力機構)によると、日本食を提供する店舗は150店を超えた。

 こうした経済発展を受け、首都プノンペンの地価上昇率は2013年から2015年にかけて、3年で2倍となった。経済成長率は、IMF(国際通貨基金)によると、2011年から2016年の6年間で平均7%を超える推移を示し、今後も2022年まで6.0%~6.8%と堅調な成長が続くと予測されている。このため、地価もこれまでと同様の伸びを続ける可能性が高い。

内装・外装など細部まで「日本品質」にこだわり資産価値を差別化する不動産を開発

 ラ・アトレがこのたびコンドミニアムを建設するプノンペン市内の一等地(ボンケンコン=BOEUNG KENG KANG1地区、通称「BKK1」地区)は、プノンペン国際空港から約12キロメートル、独立記念塔からは約800メートル。

 ここに、内装・外装の細部にまでこだわり、資材や設備、備品などでも日本国内と同等の住宅品質を提供する「日本品質」の建物を目指し、コンシェルジュサービスや24時間セキュリティ体制を完備したコンドミニアムを建設する。プノンペンでもマンション建設は活発化しているが、外国人向けのハイエンドで高品質な物件数は少なく、資産価値の観点からも差別化する不動産開発を進めているところだ。(シリーズ5回・次回に続く)

 

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