加賀電子は売られ過ぎ感、4Qから富士通エレクトロニクスの買収効果が加わり見直し余地

株式市場 銘柄

◆第3四半期累計の純利益は12%減だったが通期では13%増加の見通し

加賀電子<8154>(東1)は2月7日、一時2000円を割り込む場面を見せたが底堅く、14時30分を過ぎては2037円(84円安)と切り返し、強い展開となっている。2月6日に発表した2019年3月期・第3四半期の連結業績(2018年4月~12月累計)は、立ち上げ期にある海外新工場での費用先行などにより全体に減益だったが、第4四半期(4Q)からは富士通エレクトロニクス(非上場)の段階的な買収の効果が加わってくる。今3月期の予想1株利益は266円04銭のため、株価2000円はPER7.5倍。売られ過ぎ感の強い水準といえる。

◆商社ビジネスとEMSビジネスのシナジー効果で収益性向上目指す

 同社は、2019年1月1日付で、富士通エレクトロニクス株式会社の株式70%を取得し連結子会社化した。今後も2段階に分けて株式を取得し、22年1月に完全子会社化する予定だ。

 6日に発表した第3四半期の連結業績(2018年4月~12月累計)は、この直前までの業績になり、売上は一部顧客における生産調整や製品切替えにともなう一時的な数量減などの影響を受け、前年同期比0.2%減の1737.8億円となり、営業利益は、立ち上げ期にある海外新工場での費用先行などによる影響もあり同13.1%減の57.5億円となり、親会社株主に帰属する純利益は同11.5%減の48.8億円となった。

 ただ、第4四半期からは、富士通エレクトロニクス(非上場)の段階的な買収の効果が加わり始める。純利益の通期見通しに対する進ちょく率は60%台だが、営業利益・経常利益はすでに75%を確保しており、3月通期の連結業績見通し(従来予想を継続)は、売上高が2900億円(前期比22.9%の増加)、営業利益は77億円(同5.2%減)、親会社株主に帰属する純利益は73.0億円(同12.5%の増加)、1株利益は266円04銭とした。

 同社では、富士通エレクトロニクスの完全連結化を交えた中期計画で、22年3月期の連結営業利益を130億円としている。商社ビジネスとEMSビジネスのシナジー効果が増大し収益性が向上する見通しだ。この営業利益の水準に基づ区場合の試算として、調査筋の間では、法人税率を30%とした場合の当期純利益は90億円になり、1株利益は325円程度に拡大するという試算が出ている。(HC)

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