【編集長の視点】科研薬は変わらずも「クレナフィン」の3Q高進捗率をテコに下値に割り負けバイオ株買いが継続

科研製薬<4521>(東1)は、前日25日に5200円と前週末比変わらずで引けた。25日移動平均線水準で目先の利益確定売りや戻り売りと割り負けバイオ株買いが交錯した。この割り負け修正買いは、中国のTIPR-HUYA Advancing Innovative Medicines(AIM、天津市)への「クレナフィン」の独占的ライセンス実施許諾・供給契約締結を発表したことを見直し手掛かりとなっている。テクニカル的にも、昨年5月の昨年来高値6600円から同安値4535円への調整幅の半値戻しをクリアしており、投資アノマリーの「半値戻しは全値戻し」期待を高めている。

■「クレナフィン」は3Qに181億円と続伸し中国向けに独占的ライセンスも供与

 「クレナフィン」は、科研薬が創製したトリアゾール系化合物を有効成分に、世界初の外用剤の爪白癬治療剤として開発、2014年9月に国内で発売したあと、海外では導出先の米国とカナダで2014年から、韓国では2017年からそれぞれ販売が開始された。爪白癬症(爪真菌症)の有病率は、成人人口の約6%~8%とされ、国内の有病者数は1200万人に達すると推定されているだけに、大型薬として同社の主力薬となっている。今3月期3Qの売上高は、前年同期比1.2%増の181億700万円となった。

 また、今期3Q決算と同時にAIM社への「クレナフィン」の中華人民共和国での独占的ライセンス実施許諾・供給契約の締結、契約一時金、マイルストーン、販売金額に応じたロイヤリティの受領も発表、今期予想業績の変更はないとしているが、「クレナフィン」のグローバル展開に拍車が掛かり、来期以降の業績に寄与してくることになる。

 一方、同社の今3月期業績は、売り上げ948億円(前期比3.7%減)、営業利益225億円(同18.2%減)、経常利益228億円(同18.1%減)、純利益164億円(同13.9%減)と見込まれている。「クレナフィン」は続伸するものの、関節機能改善剤「アルツ」や高脂血症治療剤「リピディル」などに薬価改定や国の後発医薬品使用促進策の影響があって伸び悩むことが要因となる。

■PER評価は薬品セクターで3番目に割り負け「半値戻しは全値戻し」へチャレンジ

 株価は、昨年5月の自己株式取得発表を手掛かりにつけた昨年来高値6600円から「クレナフィン」の韓国での販売承認取得、腰椎椎間板ヘルニア治療剤の発売、「クレナフィン」の香港・マカオ向け独占的供給契約締結などの相次いだ好材料には高値反応したものの、再三にわたる世界同時株安の波及で昨年12月末の昨年来安値4535円まで大きく調整した。同安値から売られ過ぎとして底上げ、今年1月4日に発表した全身性強皮症及び皮膚筋炎治療剤「レナバサム」の開発・販売提携、ライセンス契約の締結を手掛かりに5560円までリバウンド、昨年来高値から同安値への調整幅の半値戻しをクリアした。足元では、25日移動平均線を出没し三角保ち合いを続けているが、PER評価の12倍台は、東証第1部の薬品セクターで3番目に割り負けており、三角保ち合いを上放れ投資セオリーの「半値戻しは全値戻し」へ再チャレンジしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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