【編集長の視点】デュアルタップは3Q高利益進捗率業績を見直して内需系バリュー株買いが拡大し続伸

 デュアルタップ<3469>(JQS)は、前週末18日に1円高の1421円と小幅ながら続伸して引けた。同社株は、今年5月11日に今2018年6月期第3四半期(2017年7月~2018年3月期、3Q)業績を発表し、利益がすでに6月期通期予想業績を大きく上回って着地したものの、6月期通期業績について期初予想を据え置いたことが響き、材料出尽くし感を強めて窓を開けて急落した。ただ、前2017年6月期業績も、同様の業績推移で、3Q業績が高利益進捗率を示したにもかかわらず期初予想を据え置いたものの、決算発表時には6月期通期業績が上ぶれて着地しており、改めて連想を強めて内需系のバリュー株買いが増勢となった。テクニカル的にも、今年2月の株式分割の権利落ち後以来、下値を切り上げていた25日移動平均線から21%超もマイナスかい離しており、下げ過ぎ訂正期待を高めている。

■投資用マンションの完売が続きセグメント利益は81%増と続伸し管理戸数も増加

 同社の今期3Q業績は、売り上げ84億70万円(前年同期比6.9%増)、営業利益6億円(同65.9%増)、経常利益5億5200万円(同98.8%増)、純利益3億6100万円(同2.01倍)と大幅に続伸し、利益水準そのものは、6月通期予想業績をすでに絶対額で9700万円~1億6400万円上回った。不動産販売事業では、投資用マンション「XEBEC(ジーベック)」の完売が続く好調な分譲に加えて、函館市に所有していた賃貸用ホテルを売却したことなどから、セグメント利益が前年同期比81.8%増と続伸し、不動産賃貸管理・仲介事業でも、自社開発物件の分譲に伴い管理戸数が増加し、セグメント利益が同19.6%増となったことが寄与した。

 6月通期業績は、期初予想を据え置き、売り上げ102億8900万円(前期比6.1%増)、営業利益4億6300万円(同2.1%増)、経常利益3億8800万円(同12.3%増)、純利益2億6400万円(同20.2%増)と見込んでいる。不動産販売事業の収益物件の販売は、顧客への物件引き渡し時点で売り上げに計上され、物件の竣工や引き渡しのタイミングにより四半期ごとの業績に偏重が生じる傾向があるとして保守的に見積もったものだが、前期も、3Q高利益進捗率業績に対して期初予想を据え置いた通期業績が上ぶれて着地しており、同様に再現期待を高めている。東洋経済会社四季報最新号では、今期純利益を3億5000万円と2015年6月期の過去最高(2億9300万円)を3期ぶりに更新すると観測しているが、今期3Q純利益は、会社四季報観測値も上回っており上ぶれ余地が拡大する可能性を示唆している。

■25日線から21%超の下方かい離と売られ過ぎで急騰特性再現期待を強め分割落ち後高値を目指す

 株価は、株式分割(1株を3株に分割、基準日今年2月8日)の権利を3525円で落とし、権利落ちと同時に起こった世界同時株安が重なって権利落ち後安値918円まで急落し、理論価格を下回って売られ過ぎとして底上げに転じた。その後、発表したインベスターズクラウド<1435>(東マ)の子会社とOEM契約したIoTマンションの開発やジェイホールディングス<2721>(JQS)の子会社との業務提携などを評価して25日移動平均線をクリアし、今年4月に開示した販売用不動産取得に伴う資金借入をバネに分割権利落ち後高値2155円まで買い進まれた。同高値からは約1カ月、25日線水準でもみ合い、今期3Q決算発表とともに25日線を下抜き急落した。今期3Qの実績1株純利益(107.13円)ベースのPERは13倍台、25日線から21%超のマイナスかい離となお売られ過ぎは明らかであり、今年1月の株式分割発表でストップ高した急騰特性の再現期待を高め、25日線水準の1800円台奪回から分割権利落ち後高値2155円を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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