佐川急便などのSGホールディングスがIR(投資家向け広報)業務を強化

株式市場 銘柄

組織改編により「ユニット」から「室」に昇格させ情報発信を拡充

 佐川急便などの持株会社・SGホールディングス<9143>(東1)は3月8日の前場、0.8%安の3240円(25円安)にとどまり、TOPIX(東証株価指数)の1.3%安、日経平均の1.5%安に比べて強さを見せた。相対的に強い相場となった。

 2月初に業績見通しの増額修正を発表するなど、業績の好調さが目立ち、3月5日には3315円まで上げて上場来の高値を4日連続更新。引き続き最高値更新基調が続いている。

 一方、市場関係者の中には、別の観点から同社株に注目する動きもある。同社は3月1日付で「組織改編及び人事異動」などを発表しており、この中に注目すべき事項が隠されているというのだ。発表リリースには、「現行の7部5室5ユニット体制を8部4室7ユニット体制に改編する」「経営企画部内の『IRユニット』を廃止し『IR室』を新設」とあり、ここに重要な動きがひそんでいるという。

◆個人投資家向けのIR活動も同時並行的に強化する方針

 なるほど、パッと見では、「室」が5室から4室に減るのに、IR(投資家向け広報)担当の部署はその中に食い込むように「室」として新設されることになる。また、組織図を見ると「部」と「室」は同格の扱いになっており、秘書室も経理部も総務部も経営企画部も横並びに描かれている。そして、これらの下に、下部組織として各「ユニット」が並んでいる。このため、IR関連の部署は、これまでの「ユニット」から「室」.に昇格することになる。

 この市場関係者は、「ゆえに、これはIRに一段と積極的に取り組むことを示唆しており、一段の株高も見込めるのではないか」とドヤ顔だった。

 と、いうことで、会社側に問い合わせてみたところ、「確かにIR体制を強化しようということです」との回答が得られた。「強化する主眼は機関投資家向けのIR活動、情報発信になり、個人投資家向けは、現段階では同時並行的といったところ」、とのことだった。確かに、機関投資家が同社への評価を高めれば、買いが増加する可能性は一段と拡大する。

 業績は好調。宅配便や引っ越し業界では人手不足、人件費高騰が言われているにもかかわらず、需要・受注の拡大が先行しているもようで、今期・2019年3月期の連結業績見通しを2月1日に売上高、各利益とも増額修正して発表した。最高を更新することになる。(HC) 

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