ハウスドゥは調整一巡、19年6月期大幅増収増益・増配予想

日インタビュ新聞ロゴ

 ハウスドゥ<3457>(東1)は、FinTechを活用した不動産流通ソリューションで業界変革を目指す「不動産テック企業」である。19年6月期はストック型収益事業が伸長し、ハウス・リースバック資産流動化も寄与して大幅増収増益・増配予想である。株価は反発力の鈍い展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。なお5月13日に第3四半期決算発表を予定している。

■住まいのワンストップサービスを展開する不動産テック企業

 市場ニーズに対応した「住まいのワンストップサービス」を展開し、FinTechを活用した不動産流通ソリューションで業界変革を目指す「不動産テック企業(不動産×IT)」である。

 不動産流通事業で創業し、リフォーム事業、不動産売買事業、不動産売買仲介「HOUSEDO」FC加盟店に各種サービスを提供するフランチャイズ事業、ハウス・リースバック事業、不動産担保ローン事業、金融機関と提携したリバースモーゲージ保証事業へと展開し、業容を拡大している。

■ストック収益型事業へシフト

 市場ニーズに対応した「住まいのワンストップサービス」を提供しながら、収益構造も、人員の増員が必要な労働集約型事業(不動産流通事業、リフォーム事業、不動産売買事業)から、ロイヤリティー収入、賃貸収入、金利収入などが積み上がるストック収益型事業(フランチャイズ事業、ハウス・リースバック事業、および不動産担保ローン事業やリバースモーゲージ保証事業などの不動産金融事業)に重点シフトしている。

 18年6月期の収益構造は、売上高構成比では労働集約型62%、ストック収益型38%だが、営業利益構成比は労働集約型40%、ストック収益型60%だった。ストック収益型事業が収益柱に成長している。

 18年6月末時点の「ハウスドゥ」FC加盟契約数は543店舗だった。中期的な目標は国内1000店舗、アジア5万店舗としている。ハウス・リースバック保有物件数は559件、保有総額は80億04百万円だった。首都圏・中部・近畿の3大都市圏で約9割を占めている。18年7月にはハウス・リースバックの累計契約件数が1000件を突破した。不動産金融事業の担保融資残高は55億87百万円、リバースモーゲージ保証残高は14億70百万円だった。リバースモーゲージ保証事業は提携金融機関を順次拡大している。

■アライアンスも活用して積極事業展開

 18年2月タイムシェアリング事業「タイムルームクラウド」を開始、京葉ビルドを子会社化した。18年3月ハウス・リースバックで取得した個人住宅など収益不動産物件を対象に不動産特定共同事業法スキームによる匿名組合方式の不動産ファンド「HLBファンド1号」を組成、賃貸不動産仲介事業の新ブランド「RENT Do!(レントドゥ!)」1号店の渋谷恵比寿店をオープンした。18年12月には「RENT Do!」加盟店の管理物件獲得を支援するため、家主向け賃貸保証サービスを開始した。

 19年2月には、タイで中古住宅リノベーションおよびサービサー事業、フランチャイズ事業を展開するため、同国企業と合弁会社H-DO(タイ)を設立した。

■19年6月期大幅増収増益・増配予想

 19年6月期の連結業績予想は、売上高が18年6月期比22.1%増の274億99百万円、営業利益が53.4%増の32億46百万円、経常利益が57.2%増の30億円、純利益が55.0%増の19億83百万円としている。配当予想は8円50銭増配(18年7月1日付株式2分割換算後)の年間31円(期末一括)で、予想配当性向は30.3%となる。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比32.9%増の126億71百万円、営業利益が22.6%増の10億89百万円、経常利益が32.0%増の10億27百万円、純利益が44.6%増の7億25百万円だった。

 約30億円のハウス・リースバック資産のファンドへの譲渡が遅延したため計画を下回ったが、ストック型収益事業が伸長(フランチャイズ事業が14.1%増収、ハウス・リースバック事業が3.9倍増収、不動産金融事業が2.1倍増収)して大幅増収増益だった。

 18年12月末時点の「ハウスドゥ」FC加盟契約数は569店舗、ハウス・リースバックの保有物件数は674件、保有物件総額は91億22百万円、不動産金融事業の不動産担保融資残高は63億59百万円、リバースモーゲージ保証残高は22億11百万円となった。

 通期もストック収益型事業が伸長し、不動産ファンドへの大型売却(3月1日にハウス・リースバック資産流動化完了を発表)も寄与して大幅増収増益予想である。セグメント別の計画はフランチャイズ事業が17.9%増収・18.8%増益、ハウス・リースバック事業が71.1%増収・84.0%増益、不動産金融事業が89.0%増収・2.7倍増益、不動産売買事業、不動産流通事業、リフォーム事業は横ばいとしている。通期ベースで好業績が期待され、中期的にも収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年6月末の株主対象

 株主優待制度は毎年6月30日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して実施している。優待内容は株主優待ポイント表に基づいて進呈されるポイントを、株主限定特設インターネット・サイト「ハウスドゥプレミアム優待倶楽部」において、食品や電化製品などと交換できる。

■株価は調整一巡

 株価(18年7月1日付で株式2分割)は反発力の鈍い展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。4月19日の終値は1428円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS102円32銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間31円で算出)は約2.2%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS498円52銭で算出)は約2.9倍、時価総額は約277億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る