パシフィックネットは構造変革が進み今期は減収だが大幅増益を見込む

■「ストック型」に軸足を移し従来事業は戦略的に絞り込む

 パシフィックネット<3021>(東2)は数年前から事業構造の大変革に取り組んでおり、それまでの「フロー収益型」から「ストック収益型」への転換が顕在化し始めてきた。ITシステムのライフサイクル全般を導入から保守管理、排出までワンストップで支援する「LCMサービス」(ライフサイクルマネジメントサービス)を前面に打ち出す事業に軸足を移し、今期・2019年5月期は売上高の減少と大幅増益を計画している。

■第4四半期(3~5月)は多くの顧客企業の年度末になり業績の比重が最大

 4月中旬に発表した第3四半期の連結業績(2018年6月~19年2月・累計)は、
既存事業に相当するリマーケティング事業の戦略的な絞り込みを行うなどの施策を推進し、売上高は前年同期比10.0%減少し29.66億円となったが、収益は大幅に増加。営業利益は39.3%増加して1.82億円となり、親会社株主に帰属する四半期純利益も12.0%増加して1.02億円となった。

 事業別にみると、従来事業であるリマーケティング事業セグメントの売上高は同35.1%減少した半面、LCM事業セグメントの売上高は同13.0%増加。同社では、「中古事業は、ESG(環境・社会的責任&企業統治)の観点からコンプライアンスサービスへ脱皮させ、あえて戦略的減益とした」と振り返った。

 今期・19年5月期の連結業績見通しは、売上高を41.00億円(前期比7.5%減)として減少を見込むが、営業利益は3.10億円(同30.3%の増加)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2.00億円(同26.5%の増加)。予想1株利益は38.65円と大幅な増加を見込む。

 第3四半期までをみると、通期見通しに対する進ちょく率は低いが、同社の第4四半期(3~5月)は大多数の顧客企業の年度末にあたり、これまでも第4四半期の業績が最も大きくなる傾向があるためとする。また、連結子会社ケンネット社は第4四半期の収益が最も大きくなる傾向にあるため、計数目標などは当初想定どおり進捗しているとした。また、既存事業は戦略的に絞り込みを行っているが、この第4四半期は第1~3四半期に比べて一定の拡大を見込んでいるとした。(HC)

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