【新規上場(IPO)銘柄】ビーアンドピーは24日に上場、国際イベントが市場活性化の追い風に

株式市場 IPO 鐘

 ビーアンドピー<7804>(東マ)は、本年7月24日に東京証券取引所マザーズに上場した。同社は、顧客からの受注に基づき、業務用の大判インクジェットプリンターを使用し、プリント・加工・納品までを一貫して行うインクジェット出力事業を行っている。広告代理店、広告制作会社、印刷会社、デザイン会社等から発注される「販売促進用広告物の制作」、及びゲーム機メーカーが取り扱うプリントシール機の外装カーテン、並びにインテリアメーカーやインテリア専門商社が取り扱う内装壁紙や床材等の「生活資材・製品制作」を行っている。商品ラインナップは、店頭用ディスプレイ、店舗案内看板、ビル壁面垂れ幕、商品展示用段ボール什器、のれん・旗・布地の広告物、3Dプリント出力サービス、インテリア壁紙で、大阪・東京・横浜・福岡の都心部にプリンターを設備し、量産案件・緊急案件に対しても短納期を実現する、24時間生産体制で出力サービスを行っている。

 今2019年10月期第2四半期においては、平成30年12月に江東事業所をニコール事業部(横浜市神奈川区)の隣接地に移転し、ニコール事業部内に広幅印刷物を専門に扱うワイドフォーマットスタジオを開設致しました。同移転に併せて広幅インクジェットプリンターを最新型へ入替導入しているほか、未開拓営業エリアへの進出を目的に、平成30年11月に池袋営業所、平成31年4月に福岡営業所を開設し、営業体制と制作体制の両方の強化に着手している。

 今19年10月期第2四半期業績実績は、売上高15億0500万円、営業利益2億5700万円、経常利益2億5600万円、純利益1億7700万円に着地。

 今19年10月期業績予想は、売上高31億5000万円(前期比30.9%増)、営業利益5億5000万円(同0.6%減)、経常利益5億4900万円(同0.8%減)、純利益3億7200万円(同31.5%減)を見込む。上場で調達資金はインクジェット出力機などへの設備投資や新規の拠点設立、ECサイト用のITシステム構築等に充てる計画。年間配当は、期末一括50円継続を予定している。

 株価は、上場初日の7月24日に公開価格の2000円を20%上回る2400円で初値つけ、同日高値2600円と買われた後、同31日安値2156円と換金売りに押されている。大判インクジェットプリンターの世界市場は約4000億円で、2022年まで年率3%程度の成長が見込まれているが、日本市場でも2020年の東京五輪、2025年の万国博覧会など、国際イベントが大判インクジェットプリンター市場の活性化の追い風になると期待されている。同社は、全国主要都市に営業拠点を作り、地域密着営業を展開していく計画のほか、成長基盤を一層強化できる企業とのM&A等を計画しており、今後の展開は注目される。今19年10月期は、物流業界の人手不足による物流コストの上昇 、同社生産拠点の移転による物流経費の増加、最新鋭のワイドプリンターの導入等で減益となる見通しだが、来20年10月期は投資一巡から増益が観測されている。今期予想PER13倍台、配当利回り2.2%と市場平均並みの水準に届いており、値ごろ感が出つつあるが、下値がどのあたりになるか見極めるところだろう。(株式評論家・信濃川)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る