アールシーコアは急伸、22年3月期黒字化予想

 アールシーコア<7837>(JQ)は、自然材をふんだんに使ったログハウスのオリジナルブランド「BESS」を展開している。21年3月期は新型コロナウイルスの影響などで減収・赤字だったが、従来予想に対して営業・経常利益は上振れ着地した。22年3月期は増収・黒字化予想としている。収益改善を期待したい。株価は黒字化予想を好感して急伸している。上値を試す展開を期待したい。

■ログハウスのオリジナルブランド「BESS」を展開

 自然材をふんだんに使った個性的な木の家であるログハウスのオリジナルブランド「BESS」の販売を、国内直販部門、連結子会社BESSパートナーズ(BP)社、および国内販社で展開している。

 21年3月期セグメント別(調整前)売上構成比は直販部門が31%、販社部門が33%、BP社が35%、営業利益構成比は直販部門が56%、販社部門が42%、BP社が2%だった。FCを中心とした事業展開で高資本効率を実現している。

 東京都・代官山のBESS スクエア、神奈川・藤沢市のBESS 藤沢、東京都・昭島市のLOGWAY BESS多摩の3ヶ所を直営拠点としている。なお21年4月に東京・代官山のLOGWAY旗艦店を「BESS MAGMA LOGWAY、NIPPON」としてリニューアルオープンした。

 収益は直販部門とBP社の「BESS」売上、販社からのロイヤリティ収入および販社へのキット部材売上などである。四半期収益は物件引き渡し件数・時期などで変動しやすい特性がある。

 新中期経営計画ではスローガンに「曲がり真直ぐ、BESSの道」を掲げている。また重点施策としては、LOGWAY戦略のベストサイクル追求、新時代の暮らし方「梺(ふもと)ぐらし」の本格化、ブランドパートナー型FC制度の確立、長寿企業を目指す収益構造改革を推進している。目標値については新型コロナウイルスによる事業環境の変化を考慮し、23年3月期の売上高を従来の240億円から200億円に、営業利益率を8%から5%に変更した。

 21年3月には、運転資金および設備投資(東京・代官山のBESS本店リニューアル)への充当を目的として、シンジケーション方式によるコミットメントライン契約およびタームローン契約を締結した。

■21年3月期赤字だが営業・経常利益は上振れ、22年3月期黒字化予想

 21年3月期連結業績は、売上高が20年3月期比10.4%減の157億90百万円、営業利益が2億52百万円の赤字(20年3月期は70百万円の黒字)、経常利益が3億57百万円の赤字(同74百万円の黒字)、親会社株主帰属当期純利益が5億34百万円の赤字(同23百万円の黒字)だった。配当は30円減配の20円(第2四半期末10円、期末10円)とした。

 新型コロナウイルスの影響などで減収・赤字だったが、従来予想に対して営業・経常利益は上振れ着地した。販管費として計上予定だった点検費用引当金繰入額96百万円を特別損失として計上したことに加えて、経費抑制で販管費が想定を下回った。

 直販部門は2.9%減収だが54.8%増益だった。着工スケジュール長期化で減収だが、部材キットおよび施工に関する粗利益率が改善した。販社部門は25.0%減収で63.7%減益だった。着工スケジュール長期化に加えて、受注減少によるロイヤリティ収入減少も影響した。BESSパートナーズは17.0%増収で黒字化した。拠点増加が寄与した。全社ベースの受注(契約)高は東京都・代官山「BESSスクエア」リニューアルのための一時閉鎖の影響で18.7%減少した。

 なお四半期別の営業利益は第1四半期が4億21百万円の赤字、第2四半期が42百万円の黒字、第3四半期が68百万円の黒字、第4四半期が59百万円の黒字だった。

 22年3月期連結業績予想は売上高が21年3月期比4.5%増の165億円、営業利益が3億円の黒字(21年3月期は2億52百万円の赤字)、経常利益が2億65百万円の黒字(同3億57百万円の赤字)、親会社株主帰属当期純利益が2億円の黒字(同5億34百万円の赤字)としている。配当予想は15円増配の35円(第2四半期末15円、期末20円)としている。

 大規模改修を機に改称した旗艦店「BESS MAGAMA」の営業再開を発火点として受注増を目指す。さらに粗利益率改善も寄与して黒字化予想としている。収益改善を期待したい。

■株主優待は3月末と9月末の株主対象

 利益配分については、DOE(純資産配当率)を重視した長期的視点での安定配当を行うことを基本とし、当面はDOEを7%程度まで高めることを目標としている。

 株主優待制度は毎年3月末および9月末時点の株主を対象として実施(詳細は会社HP参照)している。

■株価は急伸

 株価は黒字化予想を好感して急伸している。年初来高値を更新する場面もあった。基調転換して上値を試す展開を期待したい。5月24日の終値は824円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS47円80銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想の35円で算出)は約4.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS682円85銭で算出)は約1.2倍、時価総額は約37億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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