アイフリークモバイルは調整一巡感、22年3月期営業黒字化予想

日インタビュ新聞ロゴ

 アイフリークモバイル<3845>(JQ)は、電子絵本アプリや知育アプリなどのコンテンツ事業およびコンテンツクリエイターサービス事業を展開し、中期成長に向けてユーザー数拡大やデジタルコンテンツ資産有効活用を推進している。6月18日には絵本アプリ「森のえほん館」で配信中の絵本作品「おしたらおしまい」が書籍化された。22年3月期は親子向けアプリのアップデート効果などで営業黒字化予想としている。収益改善を期待したい。株価はモミ合い展開だが調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。

■コンテンツ事業とコンテンツクリエイターサービス事業を展開

 携帯電話・スマートフォン向けコンテンツ企画・開発・配信のコンテンツ事業、WEBコンテンツ制作・システム受託開発および人材派遣のコンテンツクリエイターサービス事業を展開している。

 21年3月期の売上高構成比はコンテンツ事業9%、コンテンツクリエイターサービス事業91%、営業利益構成比(調整前)はコンテンツ事業59%、コンテンツクリエイターサービス事業41%だった。

 コンテンツ事業は、デジタル素材「デココレ」を主力として、電子絵本アプリや知育アプリ「あそびタッチ」などの親子向けサービス、オリジナル絵文字やグループチャットを搭載したウォレットアプリ「Challet」も展開している。

 なお6月18日には、絵本アプリ「森のえほん館」で配信中の絵本作品「おしたらおしまい」が、書籍化(発売元:ポプラ社)された。絵本アプリ「森のえほん館」は500冊以上の作品を収録し、累計130万ダウンロードを記録している。

 デジタルコンテンツの確保にあたっては、クリエイター支援のWEBサイト「CREPOS」によって外部クリエイターを組織化している。20年9月には「CREPOS」をリニューアルした。

 20年1月にはソフトウェア開発のリアリゼーションを子会社化、ソフトウェア開発のリアルタイムメディア(20年3月にアイフリークスマイルズに吸収合併)を子会社化して同社の子会社ファンレボを孫会社化した。21年1月には孫会社ファンレボの全株式を譲渡、21年2月にはコンテンツクリエイターサービス事業の子会社アイフリークGAMESを吸収合併、21年6月には子会社のリアリゼーションを吸収合併した。

■ユーザー数拡大とデジタルコンテンツ資産の有効活用を推進

 中期成長戦略として、コンテンツ事業におけるユーザー数の拡大、デジタルコンテンツ資産の有効活用、コンテンツクリエイターサービス事業における人材確保とサポート体制充実などを推進している。またM&Aも積極活用する方針だ。

 20年9月にはミャンマーの新興通信事業者GALAXIA社と、ミャンマーにおけるモバイルコンテンツサービス分野およびシステムインテグレーション分野で業務提携した。20年10月にはRPA導入コンサルティングサービスのITSO社と業務提携、20年11月にはITエンジニア育成EdTechサービスのヒートウェーブと業務提携、20年12月にはAI CROSS社とセールスパートナー契約を締結した。

■22年3月期営業黒字化予想

 22年3月期連結業績予想は、売上高が21年3月期比5.4%減の29億24百万円、営業利益が1億16百万円の黒字(21年3月期は1億51百万円の赤字)、経常利益が1億64百万円の黒字(同13百万円の黒字)、親会社株主帰属当期純利益が1億14百万円の黒字(同73百万円の赤字)としている。なお資本金および資本準備金の額を減少して資本剰余金に振り替える。科目間の振替処理のため純資産の額に変更はない。

 成長に向けた土台作りのステージと位置付け、コンテンツ事業では絵本アプリなど親子向け教育・知育コンテンツのアップデート、利用者拡大やシナジー創出を目的とした協業先の開拓、コンテンツクリエイターサービス事業では専門領域に特化したエンジニアチームの育成、収益性と成長性の確保に向けた協業先の開拓、新規事業の推進を強化する方針だ。収益改善を期待したい。

■株価は調整一巡感

 株価は上値が重くモミ合い展開だが、調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。6月21日の終値は153円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS6円52銭で算出)は約23倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS24円08銭で算出)は約6.4倍、時価総額は約27億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る