【話題株】JR3社でJR西日本が快走

北陸新幹線

■北陸新幹線効果に世界遺産が加わる

話題株 JR西日本(西日本旅客鉄道)<9021>(東1)の株価が13日から再び上場来の高値を更新しはじめ、14日は8625円(150円高)まで上昇。JR銘柄をリードする展開になっている。

北陸新幹線の「金沢~富山~長野」間はJR西日本の区域になるため開業効果は大。また、「明治日本の産業革命遺産」は九州地区に多いことも材料視されている。中長期的には、訪日外国人観光客の増加基調も後押し要因になり、信用売り残と買い残との需給関係を合わせてみると、買い戻しを交えてさらに上値を指向する可能性がありそうだ。

北陸新幹線の開業効果は中長期的に測るべきだが、同社が7月8日に発表したデータによると、同区間の開業から6月末までの乗客数が前年の在来線特急の乗車人数の3.2倍に達した。また、7月11日付の日本経済新聞・地方経済面(北陸)によると、「金沢市と長野市は西日本旅客鉄道(JR西日本)や東日本旅客鉄道(JR東日本)などと組み、欧州の旅行会社を招いた周遊ツアーを11日から開催する」という。欧州からの観光客誘致を増やす本格的な取り組みとして注目されている。

信用売り残と買い残との需給関係をみると、このところは売り残が20万株台、買い残が10万株台で推移し、売り残が買い残を大きく上回って推移している。このバランスは、JR東日本(東日本旅客鉄道)<9020>(東1)JR東海(東海旅客鉄道)<9022>(東1)と逆。これを見る限りは弱気派(売り方)が多いことになるが、弱気派が多いまま株価が高値を更新してきたため、売り方は追い込まれた状態といっていい。

このため、株価がこのまま強ければ、売り方は投資ポジションの撤退を考えざるを得ず、買い戻しを巻き込んで一段高の相場になる環境が整ってきたようだ。売り残の規模は膨大という水準ではないが、集中的に買い戻しが発生した場合、一日で1000円高近い急伸があり得るとの推測が出ている。

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