【銘柄診断】SERIOホールディングスは昨年来高値に肉薄、業績下方修正を織り込み子育て関連株買いが増勢

■上昇トレンド転換を示唆

 SERIOホールディングス<6567>(東証グロース)は、今年1月20日につけた昨年来高値782円に肉薄している。同社株は、今年1月13日に今2023年5月期業績の下方修正を発表し、期初の増益予想が減益転換したが、これは積極的な人材投資による前向きな減益転換で、売り上げが過去最高ペースで推移していることから織り込み済みとして子育て関連株買いが増勢となった。テクニカル的にも、今年年初の株価急騰で25日移動平均線が75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆しており、このトレンドに変わりはないとして買い手掛かりとなっている。

■売り上げは過去最高で推移し積極的な児童受け入れの前向き減益

 同社の今5月期通期業績は、今年1月の第2四半期(2022年6月~11月期、2Q)累計決算発表時に下方修正された。売り上げは期初予想の据え置きとしたが、営業利益を1億4000万円、経常利益を1億3500万円、純利益を8600万円それぞれ引き下げ、売り上げ96億4000万円(前期比5.6%増)、営業利益1億6000万円(同31.6%減)、経常利益1億6500万円(同39.4%減)、純利益1億800万円(同37.7%減)と連続の減益を見込んだ。就労支援事業では、新型コロナウイルス感染症の影響で派遣スタッフの稼働率が減少し、放課後施設・保育施設事業では、積極的な児童受け入れのために職員を増強し労務費負担が高まったことなどが要因となった。

 ただ今期2Q累計売り上げは、47億5500万円(前年同期比6.1%増)と過去最高ペースで推移し、今期の放課後施設の新規開設は期初計画の10施設から19施設へ、同じく保育施設も5施設から8施設に拡大を見込んでおり、この稼働が季節的に主に下期に集中するなど、前向き投資による連続減益の側面が強い。むしろ東証グロース市場で数少ない黒字・有配会社の評価が高まる可能性もある。

■上昇トレンド転換示唆のGC示現をテコに高値抜けから上値チャレンジ

 株価は、年初の岸田文雄首相の子育て支援拡充発言や東京都の小池百合子知事の月5000円の子育て給付金発言で急騰し、4日連続のストップ高で754円高値まで91%高し、今期業績の下方修正で今度はストップ安を交えて482円と売られたが、同安値からは再びストップ高を交えて昨年来高値782円まで再騰し高値もみ合いを続けている。この年初の急騰で25日線が75日線を上抜くGCを示現して上昇トレンド転換を示唆している。信用買い残もピークから減少に転じてきており、昨年来高値更新から次の上値目標として2021年10月高値960円が意識されよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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