【銘柄診断】東洋合成工業は上値試す、22年3月期も2桁営業・経常増益予想

銘柄診断

 東洋合成工業<4970>(JQ)はフォトレジスト用感光性材料分野で世界トップクラスのメーカーである。22年3月期も高付加価値製品の好調が牽引して2桁営業・経常増益予想としている。収益拡大基調だろう。株価は5月の直近安値圏から急反発して戻り高値圏だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■フォトレジスト用感光性材料で世界トップクラス

 フォトレジスト用感光性材料分野(感光性材料事業)で世界トップクラスのメーカーである。化成品事業(電子材料関連、香料材料関連、ロジスティクス部門)も展開している。

 21年3月期のセグメント別構成比は、売上高が感光性材料事業59%、化成品事業41%、営業利益が感光性材料事業62%、化成品事業38%だった。対面市場としては半導体・ディスプレイ・その他電子材料関係(感光性材料事業の感光材、ポリマー、化成品事業の高純度溶剤)が約8割となる。

 中期経営計画の目標値は23年3月期売上高300億円、経常利益30億円以上、経常利益率10%以上としている。

■22年3月期も2桁営業・経常増益予想

 22年3月期業績(非連結)予想は、売上高が300億円(収益認識に関する企業会計基準第29号を適用するため前期比増減率は非掲載、旧基準の売上高は21年3月期比14.7%増の311億50百万円)、営業利益が20.8%増の35億50百万円、経常利益が14.0%増の34億円、当期純利益が2.3%増の24億円としている。

 実質増収で2桁営業・経常増益予想としている。感光性材料の先端領域製品を中心に高付加価値製品の好調が牽引し、感光性材料の生産能力増強に伴う労務費や償却費の増加などを吸収する見込みだ。そして中期経営計画最終年度の目標値を1期前倒しで達成する見込みだ。収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は5月の直近安値圏から急反発して戻り高値圏だ。週足チャートで見ると26週移動平均線を回復した。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。6月25日の終値は1万2600円、時価総額は約1026億円である。

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