協立情報通信は24年3月期大幅増益予想、DX・5G関連で収益拡大へ

(決算速報)
協立情報通信<3670>(東証スタンダード)は5月10日の取引時間終了後に23年3月期連結業績を発表した。22年3月期が決算期変更で13ヶ月決算だったため増減率非記載だが、計画をやや下回って着地した。モバイル事業の収益が改善したが、ソリューション事業の大型案件先送りなどが影響した。ただし24年3月期は大幅増益予想としている。ソリューション事業とモバイル事業の融合による法人向けサービス強化などを推進する方針だ。DX関連や5G関連の本格化も背景として収益拡大を期待したい。株価は3月末の権利落ちも影響して年初来高値圏から反落の形となったが、調整一巡感を強めている。24年3月期大幅増益予想や指標面の割安感を評価して出直りを期待したい。

■23年3月期は計画を下回って着地、24年3月期は大幅増益予想

23年3月期の連結業績(22年4月~23年3月の12ケ月決算、22年3月期は決算期変更で21年3月~22年3月の13ヶ月決算のため増減率非記載)は、売上高が49億83百万円、営業利益が1億84百万円、経常利益が1億92百万円、親会社株主帰属当期純利益が1億23百万円だった。配当は55円(期末一括)とした。配当性向は53.5%となる。

計画(売上高52億円、営業利益2億20百万円、経常利益2億30百万円、親会社株主帰属当期純利益1億40百万円)をやや下回って着地した。モバイル事業の収益が改善したが、ソリューション事業の大型案件先送りなどが影響した。

ソリューション事業は売上高が16億26百万円、営業利益(全社費用等調整前)が3億87百万円だった。大型案件の先送り傾向がみられたが、基幹業務システムの標準化やクラウドサービスへの移行、DX化を推進するための各種ソリューションの導入支援が堅調だった。なお22年3月期(13ケ月決算)は売上高が21億96百万円で営業利益が5億28百万円だったが、年度末で検収が集中する傾向のある3月を2回含んでいる。

モバイル事業は売上高が33億56百万円、営業利益が2億17百万円だった。店舗事業ではスタッフの提案力強化、スマホ教室の充実、出張販売、商業施設におけるドコモショップサテライト開設など、顧客満足度の向上に向けたサービス強化を推進した。法人サービス事業では、法人向けモバイルの導入支援から運用管理までのトータルサービスを展開した。22年3月期(13ケ月決算、売上高31億48百万円、営業利益1億22百万円)に対しては収益改善した形である。

なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高11億55百万円で営業利益33百万円、第2四半期は売上高11億13百万円で営業利益40百万円、第3四半期は売上高12億32百万円で営業利益12百万円、第4四半期は売上高14億83百万円で営業利益99百万円だった。

24年3月期の連結業績予想は、売上高が23年3月期比4.3%増の52億円、営業利益が35.6%増の2億50百万円、経常利益が32.8%増の2億56百万円、親会社株主帰属当期純利益が34.8%増の1億66百万円としている。配当予想は23年3月期と同額の55円(期末一括)で予想配当性向は39.7%となる。

ソリューション事業とモバイル事業の融合による法人向けサービス強化などを推進する方針だ。DX関連や5G関連の本格化も背景として収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

株価は3月末の権利落ちも影響して年初来高値圏から反落の形となったが、調整一巡感を強めている。24年3月期大幅増益予想や指標面の割安感を評価して出直りを期待したい。5月9日の終値は1541円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS138円58銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の55円で算出)は約3.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1578円86銭で算出)は約1.0倍、そして時価総額は約19億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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