京写は23年3月期大幅営業・経常増益で着地、24年3月期大幅増益・増配予想

(決算速報)
京写<6837>(東証スタンダード)は5月12日の取引時間終了後に23年3月期連結業績を発表した。当期純利益は特別損失を計上したため赤字だが、中国、インドネシア、ベトナムにおける生産量増加、為替の円安効果などで2桁増収、大幅営業・経常増益で着地した。24年3月期はベトナム子会社の生産量増加・稼働率上昇や生産性向上などで大幅増益、そして大幅増配予想としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は小動きでモミ合う形だが下値固め完了感を強めている。24年3月期大幅増益・増配予想、さらに指標面の割安感を評価して出直りを期待したい。

■23年3月期大幅営業・経常増益着地、24年3月期も大幅増益予想

23年3月期の連結業績は、売上高が22年3月期比14.6%増の244億62百万円、営業利益が40.3%増の6億70百万円、経常利益が20.6%増の6億19百万円、親会社株主帰属当期純利益が特別損失を計上して4億85百万円の赤字(22年3月期は2億89百万円の黒字)だった。配当は22年3月期比2円減配の3円(期末一括)とした。

中国、インドネシア、ベトナムにおける生産量増加、為替の円安効果などで2桁増収、大幅営業・経常増益で着地した。なお特別損失に、京写香港の取引先に対する売掛債権等8億36百万円について、投資有価証券評価損2億51百万円および貸倒引当金繰入額5億85百万円を計上した。当該取引先からの仕入製品(主に自動車向けの両面・多層プリント配線板)については、すでにベトナム工場や国内工場への生産移管を完了しているため、業績への影響は一時的としている。

製品別の売上高は片面板が8%増の113億51百万円、両面板(多層板、銀スルーホール基板含む)が25%増の102億77百万円、実装関連が19%増の21億02百万円、その他が16%減の7億32百万円だった。両面板はベトナムの生産量増加に単価上昇も寄与した。実装関連は需要が回復基調となった。

用途別の売上高は自動車関連が32%増の91億63百万円、家電製品が3%減の49億46百万円、事務機関連が23%増の34億57百万円、電子部品が17%増の21億64百万円、電気機器が14%減の9億72百万円、その他(映像機器、音響機器、アミューズメント等)が7%増の37億60百万円だった。自動車関連が大幅に増加した。

地域別のセグメント業績(セグメント間取引消去前)は、日本の売上高が2%増の98億46百万円で営業利益が21%減の1億89百万円、中国の売上高が19%増の135億52百万円で営業利益が8%増の6億99百万円、インドネシアの売上高が35%増の27億39百万円で営業利益が13百万円の赤字(22年3月期は14百万円の黒字)、メキシコの売上高が11%増の95百万円で営業利益が0百万円の赤字(同5百万円の黒字)、ベトナムの売上高が266%増の21億51百万円で営業利益が1億78百万円の赤字(同4億22百万円の赤字)だった。ベトナムは生産が本格化して赤字縮小した。

24年3月期の連結業績予想は売上高が23年3月期比2.2%増の250億円、営業利益が48.8%増の10億円、経常利益が34.0%増の8億30百万円、親会社株主帰属当期純利益が特別損失一巡して5億60百万円の黒字(23年3月期は4億85百万円の赤字)としている。配当予想は23年3月期比6円増配の9円(期末一括)としている。予想配当性向は23.1%となる。

売上面は不透明感を考慮して小幅増収だが、利益面はベトナム子会社の生産量増加・稼働率上昇や生産性向上などで大幅増益予想としている。そして配当も大幅増配予想としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は出直り期待

株価は小動きでモミ合う形だが下値固め完了感を強めている。24年3月期大幅増益・増配予想、さらに指標面の割安感を評価して出直りを期待したい。5月12日の終値は288円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS38円97銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の9円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS502円53銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約42億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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