【どう見るこの相場】中東情勢とトランプ・リスクのはざまで探る「彼岸底」後の春相場

■中東情勢の行方が左右する「彼岸底」シナリオと原油危機回避の可能性

 願わくば少なくともアノマリー通りの「彼岸底」の相場展開を期待したくなること切である。そんな相場シナリオは当然、中東の地政学リスクの戦況次第だろう。しかし春分の日の20日まで約2週間である。空爆、報復攻撃のパンチを応酬し合っている米国、イスラエル、イランのミサイルやドローンの在庫が枯渇し弾切れとなれば、戦闘は小康状態に入り、そこから地上進攻か停戦交渉か選択を迫られ、停戦交渉が始まるかもしれないではないか?その前提なら大型タンカーが閉じ込められた原油・天然ガス輸送の大動脈のホルムズ海峡の荒波も収まって航行が再開され、「第3次オイルショック」への危機感も後退するはずだ。折からの満開の桜ともども春相場がスタートすることになる。

■関税強化や外交ディール、エプスタイン文書――拡大する「トランプ・リスク」

 もちろんイラン攻撃を仕掛けた米国のトランプ大統領が抱える「トランプ・リスク」は、この中東の地政学リスクだけにとどまらない。ベンセント財務長官は、通商法122条に基づいて発動した代替関税の関税率を10%から15%に引き上げ、さらに別件の追加関税発動のために調査を進めていることも明らかにしている。また今月末予定のトランプ大統領と習近平中国国家主席との首脳会談では、台湾問題を巡りレアメタルの輸出規制緩和とバーターに台湾の頭越しに「ディール(取引)」が行われるとの懸念もある。ウクライナ問題でも、ウクライナのゼレンスキー大統領抜きでプーチン大統領との突然の手打ちが行われる心配もある。さらに政財界要人のスキャンダルを記録したエプスタイン文書への関与疑惑である。

■Ⅴ字反騰よりも緩やかな回復、TOPIX主導・ディフェンシブ株中心の展開

 ということは、11月の中間選挙を前にいつまた「トランプ爆弾」が暴発するか予見不可能で、仮に「彼岸底」が示現されたとしても、即Ⅴ字反騰とは運んでくれないかもしれない。可能性のあるのは、満開の桜に酔いしれることもなく、かといって花びらの舞い散る花吹雪に悲観的になることもなく、淡々と相場全体が、そろりそろりと相場熱度を高めていく展開である。セクター別では、日経平均主導型よりTOPIX(東証株価指数)主導型、ハイテク株中心よりディフェンシブ株中心である。この相場シナリオが当たらずともと遠からずとなったとしたら、浮上を期待したいのは、ちょうどこの3月中旬に値上げを予定している内需株になるはずである。

■JR東日本の約40年ぶり運賃改定、鉄道関連に広がる「乗り鉄相場」の思惑

 なかでも電鉄株では、JR東日本<9020>(東証プライム)が、3月14日に会社発足以来、消費税増税時を除きおよそ40年ぶりに運賃改定を行い、一部民鉄も追随し、運賃競争を繰り広げ「メークドラマ」を演じるとの下馬評もあり、注目度がアップしそうなのである。この電鉄各社の値上げは、資材高、人件費上昇などとともに安全運行・定時運行のための設備投資、老朽化設備の更新投資に備えた資金確保を目的としており、その波及効果は鉄道周辺事業にも及ぶ。さらにこの銘柄群では、業績上方修正や増配、株主優待制度拡充を発表する企業も少なくなく、3月期末を前に配当や株主優待の権利取りとも重なる。鉄道各社に加え、鉄道工事株、鉄道電装株、鉄道車両株などを含めた先回りの「テッチャン買い」による「乗り鉄相場」も一考余地がありそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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