中本パックスは上値試す、21年2月期3Q累計2桁増益で通期上振れ余地

(決算速報)
 中本パックス<7811>(東1)は1月12日の取引時間終了後に21年2月期第3四半期累計の連結業績を発表した。増収・2桁増益だった。食品関連の利益率が低下したが、IT・工業材関連や建材関連が大幅増益だった。通期予想を据え置いたが、第3四半期累計の進捗率が高水準であり、通期上振れ余地がありそうだ。株価は戻り高値圏だ。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■21年2月期3Q累計は増収・2桁増益、通期上振れ余地

 21年2月期第3四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比3.9%増の267億11百万円、営業利益が16.1%増の13億91百万円、経常利益が14.9%増の14億21百万円、純利益が31.2%増の11億02百万円だった。純利益は負ののれん発生益(持分法適用関連会社の三国紙工を連結子会社化)も寄与した。

 売上総利益で見ると、食品関連は中食・内食需要の高まりでスーパーマーケット向け包材が好調だったが、比較的高価格帯の容器・トレー向け商材の減少で利益率が低下して微減益だった。IT・工業材関連は電子部品製造用フィルムが好調に推移し、自動車内装材も持ち直した。生産効率向上も寄与して大幅増益だった。

 医療・医薬関連は受注好調で2桁増収だが、微増益にとどまった。建材関連は機能性建材の好調や生産効率向上効果で大幅増益だった。生活資材関連は新型コロナウイルス影響で微減収だが増益を確保した。その他は新規連結の三国紙工が寄与して大幅増益だった。

 通期の連結業績予想は、売上高が20年2月期比1.2%増の345億円、営業利益が6.2%増の16億29百万円、経常利益が2.6%増の16億50百万円、純利益が5.7%増の11億48百万円としている。

 通期予想を据え置いたが、第3四半期累計の進捗率は売上高が77.4%、営業利益が85.4%と高水準であり、通期上振れ余地がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は戻り高値圏だ。そしてボックスレンジから上放れの動きを強めている。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。1月12日の終値は1657円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS140円47銭で算出)は約12倍、時価総額は約132億円である。

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