【どう見るこの相場】イラン軍事攻撃で波乱含み、「二日新甫」の3月相場は株式分割ラッシュの権利取りに活路
- 2026/3/2 08:56
- どう見るこの相場

■東京市場、株式分割ラッシュ拡大、値がさ化の進行が契機
3月相場は、また「二日新甫」である。「二日新甫」は荒れるとするジンクス通りに、きょう2日の月初商いは波乱のスタートとなりそうだ。1月28日に米国とイスラエルがイランへの軍事攻撃に踏み切り、その後、イラン最高指導者ハメネイ師の殺害も伝えられたからだ。米国とイランとの間で核協議が続けられていた最中での軍事行動である。4日間の限定攻撃ともされ、今のところ地上侵攻もないようで、相場格言が教えるように「遠い戦争は買い」に動く可能性もある。その一方で、戦況がイランの報復攻撃を含めて軍事作戦通りに推移するかは不確かであり、またイランが原油や天然ガス輸送の大動脈であるホルムズ海峡を封鎖する可能性の影響も懸念される。距離的には中東の「遠い戦争」でも、戦闘が長期化、泥沼化すれば原油価格や債券相場に波及し、物価や金利、為替相場を左右する「近い戦争」となりかねない。これを先取りし、ジンクス通り下に荒れる月初商いから始まる可能性も否定できない。
■史上最高値追いの好業績、代替関税影響限定が理由
しかし前月2月相場の「二日新甫」同様、ハプニングの震源地は再び米国のトランプ大統領である。2月相場は、昨年4月に同大統領が発動した相互関税に連邦最高裁の違憲判決が出て、急きょ代替関税の発動に踏み切ったことが下に荒れるトリガーとなった。その後、東京市場では代替関税の影響が限定的との観測が強まり、決算発表を背景に好業績銘柄買いも加わって日経平均株価は史上最高値を更新し、今度は上に荒れた。3月相場でこの再現を期待できるかどうか、見極めるべき要因は多い。
第一はトランプ大統領の政策方向性である。同大統領の政策ツールといえば「ディール(取引)」だ。「タリフマン(関税男)」として同盟国、敵対国のいずれも構わず関税を武器に譲歩を迫ってきたが、この手法が「ディール」から「力による平和」を志向する実力行使へ変容している節もある。過日の米議会での一般教書演説で政敵民主党を攻撃し分断をあおったことも、11月の中間選挙を意識した動きとの見方が一般的だ。一部にはエプスタイン文書への関与疑惑を巡る目くらましとの指摘もあり、同大統領の一挙手一投足は今後もマーケットの不安定要因であり続けよう。「二日新甫」は今年9月が3日、11月が2日の月初商いとなるだけに油断できない。
■分割ラッシュ拡大、株高進行が理由
きょう2日のマーケットは、リスクオフとリスクオンが交錯してスタートすることが想定される。リスクオン候補としては、防衛関連株のほか、原油急騰関連の鉱業・石油・石炭・再生エネルギー株、ホルムズ海峡閉鎖関連の海運株、安全資産である金価格関連株などが挙げられる。これとは別のリスク軽減策として浮上するのが、3月期期末の配当や株式分割の権利取りである。なかでも焦点となるのは株式分割銘柄だ。3月27日に権利付き最終売買日を迎える株式分割は、前週末27日現在で同日発表の6社を含め61社に達する。2月末基準日の7社に比べ12倍超の増加である。3月末までなお1カ月弱残していることもあり、社数はさらに増える可能性がある。分割比率も大きく、1対2が20社にとどまる一方、1対4や1対5が多く、フジクラ<5803>(東証プライム)は1対6を予定する。
この分割ラッシュは、東証が望ましい投資単位として50万円未満を求めていることと無関係ではない。昨年9月末時点で50万円未満は93.4%の3529社、未達は6.6%の249社だった。しかしその後の株高である。日経平均株価は4万4932円から5万8850円へと約1万4000円上昇した。単元株価が1万円を上回る銘柄は全市場で88社に達し、100円未満の47社を上回るなど値がさ化が進んでいる。望ましい投資単位を上回る企業は増加していると推定され、「分割、分割、分割」とばかりに対応が進んでいるとみられる。
■株式分割、流動性向上効果に注目
株式分割は理論上はニュートラルだが、投資単位引き下げにより流動性向上と投資家層拡大が期待される。大きなカタリストとなる場合もある。3月末基準日に1対2の分割を予定するSCREENホールディングス<7735>(東証プライム)は、2025年9月末にも同様の分割を実施し、権利落ち後は6943円まで調整したが、今年2月26日には上場来高値2万3870円まで上昇し、権利落ち分を埋めてさらに上値を伸ばした。AI・半導体関連人気が追い風となったが、今回の61銘柄にも再現期待が広がる可能性がある。
3月相場はイラン情勢に加え、18、19日の日銀金融政策決定会合、19日の日米首脳会談、月末の米中首脳会談など重要イベントが続く。下に上にと大波乱も想定されるが、独自材料で下値抵抗力を発揮すると期待される株式分割銘柄に的を絞り、有望株を選別して権利取りを狙うのも一考となりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)























