【株式市場特集】鉄道各社の運賃見直し波及、関連銘柄に「乗り鉄相場」の思惑

■JR東日本、約40年ぶり運賃改定で鉄道株に注目

 JR東日本<9020>(東証プライム)は3月14日、会社発足以来、消費税増税時を除き約40年ぶりとなる運賃改定を実施する。資材高や人件費上昇に加え、安全運行や定時運行を維持するための設備投資、老朽設備更新に向けた資金確保が目的であり、一部民鉄も追随する動きが見込まれる。鉄道各社の運賃見直しは鉄道関連産業にも波及する可能性があり、鉄道工事、鉄道電装、鉄道車両など周辺銘柄への関心も高まりそうだ。さらに業績上方修正や増配、株主優待拡充を発表する企業もみられ、3月期末の配当・優待権利取りと重なることで、鉄道関連銘柄を先回りして買う「乗り鉄相場」への期待も浮上している。

■相次ぐ業績上方修正・増配を40年ぶりの値上げがさらにサポート

 3月14日に運賃改定する電鉄株は、JR東日本のほか西武ホールディングス<9024>(東証プライム)、西日本鉄道<9031>(東証プライム)で 一部運賃改定が、東武電鉄<9001>(東証プライム)、京浜急行電鉄<9006>(東証プライム)、京王電鉄<9008>(東証プライム)、東京地下鉄<東京メトロ、9023>(東証プライム)、4月1日に一部改定予定が京成電鉄<9009>(東証プライム)、南海電気鉄道<9044>(東証プライム)、JR九州<9142>(東証プライム)である。このうちJR東日本の運賃改定率は、およそ40年ぶりで全体の改定率が7.1%、とくに首都圏エリアでの改定率が大きいことから競合する民鉄の路線との価格差が拡大し運賃競争が激化することが予想されている。京王電鉄の新宿-高尾間、京浜急行の横浜-品川間、小田急の新宿ー小田原間、東京メトロの新宿-東京間などで値上げ後の乗客数の動向が注目される。

 業績も、JR東日本は昨年10月に今3月期業績を上方修正し配当も増配、その後、優待制度拡充も発表したほか、関西系電鉄株が、大阪・関西万博関連需要が上乗せとなって好調推移が目立ち、阪急阪神ホールディングス<9042>(東証プライム)、南海電鉄、西鉄、JR東海が今期業績を2回上方修正している。東武も中間業績を含めると3回上方修正し増配を予定し、京王電鉄は、業績上方修正と増配、株式分割(基準日今年3月31日、1株を5株に分割)を同時発表している。PERはJR東日本が17倍、小田急、東京メトロが16倍のほか7倍~14倍と割安で、PBRはJR東海の0.8倍を筆頭に1倍ソコソコの銘柄が多い。テッチャン関連株買いをサポートしそうだ。

■電気工事株に比べ出遅れが目立つ鉄道工事株は軒並み業績を上方修正し増配

 鉄道周辺事業株では、まずデータセンター関連で人気化した電気工事株に比べて出遅れが目立つ鉄道工事株が要注目となる。鉄建建設<1815>(東証プライム)、東鉄工業<1835>(東証プライム)、日本電設工業<1950>(東証プライム)が、いずれも今3月期業績を上方修正し配当も増配を予定しており、JR東日本の今回の運賃改定の増収額は年間881億円の見込みでこれが鉄道工事各社の今後の業績寄与に波及してくる。日本リーテック<1938>(東証プライム)は、業績上方修正と株式売出しが綱引きし、業績上方修正にポジティブに反応して昨年来高値を更新したが、足元では売出価格近辺で下値調整中である。また鉄道信号株では、日本信号<6741>(東証プライム)と大同信号<6743>(東証スタンダード)が、今期業績の上方修正、増配を発表し、PERは10倍~11倍と割安である。

 鉄道車両株では、日本車両製造<7102>(東証プライム)が、業績再上方修正組で同業他社の日立製作所<6501>(東証プライム)、川崎重工業<7012>(東証プライム)に比べてもPER6倍台と特異的に割安である。また鉄道電装品関連株でも東洋電機製造<6505>(東証スタンダード)が、PER9倍台、森尾電機<6647>(東証スタンダード)が15倍台と割安で修正期待を内包する。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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