ピックルスホールディングスは24年2月期1Q増収増益で高進捗、通期上振れの可能性

(決算速報)
ピックルスホールディングス<2935>(東証プライム)は6月30日に24年2月期第1四半期連結業績を発表した。持株会社設立前のピックルスコーポレーションの前年同期との比較で増収増益だった。コンビニエンスストア向けの好調などでコスト増加を吸収した。そして通期の増収増益予想を据え置いた。第1四半期の高進捗率を勘案すれば通期会社予想に上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益回復基調だろう。株価は6月の高値圏から反落したが、利益確定売りが一巡して切り返しの動きを強めている。第1四半期の高進捗を評価して戻りを試す展開を期待したい。

■24年2月期1Q増収増益で高進捗、通期上振れの可能性

24年2月期第1四半期の連結業績(22年9月1日に単独株式移転で設立した純粋持株会社が新規上場したため前年同期実績はなし)は、売上高が114億85百万円、営業利益が7億51百万円、経常利益が7億89百万円、親会社株主帰属四半期純利益が5億26百万円だった。

ピックルスコーポレーションの前年同期実績(売上高105億17百万円、営業利益6億72百万円、経常利益6億99百万円、親会社株主帰属四半期純利益4億76百万円)との比較で、売上高は9.2%増収、営業利益は11.7%増益、経常利益は12.8%増益、親会社株主帰属四半期純利益は10.4%増益だった。

売上面では、コンビニエンスストア向けの好調に加えて、巣ごもり需要の反動減の影響が落ち着いたことも寄与した。コスト面では調味料や包装材などの原材料価格、光熱費や物流費の高騰の影響を受けたものの、増収効果で吸収して2桁増益だった。

通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が23年2月期比2.8%増の422億円、営業利益が5.3%増の16億20百万円、経常利益が6.3%増の17億55百万円、親会社株主帰属当期純利益が1.0%増の11億50百万円としている。配当予想は23年2月期と同額の22円(期末一括)としている。23年2月期の22円には持株会社移行記念配当2円が含まれているため、普通配当ベースでは2円増配の形となる。予想配当性向は24.1%である。

個人消費や原材料・エネルギーコストの動向に不透明感が強いものの、売上面は各種キャンペーンなどの販促活動、新規取引先の開拓、既存取引先の深耕などで増収を目指し、利益面は増収効果や生産効率改善効果などで増益を目指すとしている。またESGやSDGsへの取り組みも強化し、事業を通じてサステナブルな社会の実現に貢献するとしている。

第1四半期の進捗率は、売上高が27.2%、営業利益が46.4%、経常利益が45.0%、親会社株主帰属当期純利益が45.7%だった。第1四半期の高進捗率を勘案すれば通期会社予想に上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益回復基調だろう。

■株価は戻り試す

株価は6月の高値圏から反落したが、利益確定売りが一巡して切り返しの動きを強めている。第1四半期の高進捗を評価して戻りを試す展開を期待したい。6月30日の終値は1261円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS91円40銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の22円で算出)は約1.7%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1362円11銭で算出)は約0.9倍、そして時価総額は約162億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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