マルマエは23年8月期3Q累計減収減益、通期予想を下方修正

(決算速報)
 マルマエ<6264>(東証プライム)は6月30日の取引時間終了後に23年8月期第3四半期累計業績(非連結)を発表した。減収減益だった。半導体分野の市場環境悪化で在庫調整の影響が想定以上だった。そして通期業績予想を下方修正(配当予想は据え置き)した。ただし、半導体分野の新規顧客からの認証取得を実現するなど、市場環境悪化への対応策も推進している。積極的な事業展開で24年8月期の収益回復を期待したい。株価は年初来安値圏でモミ合う形だ。目先的には下方修正を嫌気する可能性もあるが下値限定的だろう。

■23年8月期3Q累計減収減益、在庫調整想定以上で通期予想を下方修正

 6月30日に発表した23年8月期第3四半期累計業績(非連結)は、売上高が前年同期比11.7%減の53億81百万円、営業利益が55.7%減の7億71百万円、経常利益が58.0%減の7億32百万円、四半期純利益が59.2%減の5億09百万円だった。市場環境の悪化で在庫調整の影響が想定以上だった。

 受注高は全社合計が44.0%減の40億45百万円で、分野別内訳は半導体分野が48.0%減の27億51百万円、FPD分野が66.8%減の4億23百万円、その他分野が32.9%増の8億70百万円だった。分野別の売上高は半導体分野が14.5%減の38億79百万円、FPD分野が49.1%減の5億98百万円、その他分野が258.9%増の7億61百万円だった。

 半導体分野は市場環境悪化で在庫調整の影響が想定以上だった。FPD分野も市場停滞の影響で減少した。その他分野は太陽電池製造装置部品の好調で大幅伸長した。利益面は売上減少と稼働率低下、受注損失引当金と棚卸評価損の増加、減価償却費の増加などで大幅減益だった。

 なお四半期別にみると、第1四半期は売上高が24億87百万円で営業利益が6億68百万円、第2四半期は売上高が17億53百万円で営業利益が2億59百万円、第3四半期は売上高が11億41百万円で営業利益が1億56百万円の損失だった。第3四半期は大幅に落ち込んだ。

 通期業績予想(非連結)は6月30日付で下方修正して、売上高が22年8月期比20.8%減の68億03百万円、営業利益が69.1%減の7億30百万円、経常利益が72.3%減の6億55百万円、当期純利益が66.3%減の6億12百万円とした。配当予想は据え置いて、22年8月期比12円減配の36円(第2四半期末18円、期末18円)としている。予想配当性向は74.3%となる。

 従来予想に対して売上高を18億97百万円、営業利益を9億50百万円、経常利益を10億05百万円、当期純利益を5億88百万円、それぞれ下方修正した。半導体分野における市場環境悪化が長引き、デバイスの停滞以上に装置部品の在庫調整の影響が想定以上となり、第4四半期の半導体分野の売上高が大幅に減少する見込みとなった。修正後の通期分野別売上高の計画は半導体分野が29.4%減の45億05百万円、FPD分野が50.6%減の7億61百万円、その他分野が207.6%増の13億69百万円としている。
 
 なお市場環境悪化への対応策として、半導体分野の新規顧客からの認証取得を実現した。新規受注が24年8月期の売上高に本格寄与する見込みとしている。FPD分野では、市場環境が停滞するなかでも、新型G8装置向け部品の受注に成功した。また、受注好調なその他分野の太陽電池製造装置部品については、顧客装置メーカーの組立能力補強のため出水事業所内に新たな組立工場を新設した。積極的な事業展開で24年8月期の収益回復を期待したい。

■株価は下値限定的

 株価は年初来安値圏でモミ合う形だ。目先的には下方修正を嫌気する可能性もあるが下値限定的だろう。6月30日の終値は1705円、今期予想PER(会社予想のEPS48円43銭で算出)は約35倍、今期予想配当利回り(会社予想の36円で算出)は約2.1%、前期実績PBR(前期実績のBPS578円06銭で算出)は約2.9倍、そして時価総額は約223億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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