コロナ禍からの脱却で再評価のチャンス!旅行関連株の割安銘柄をピックアップ

■旅行関連株の割安銘柄を探る

 旅行関連株は、2兆9000億円の市場規模を持ち、多様な業種が関わっている。コロナ禍下では自家用車の使用比率が多かったが、「5類」移行に伴い、公共交通機関へのシフトがJTBの調査などから見込まれている。新幹線や国内航空などは旅客増が期待できるだろう。テーマパーク関連株ではオリエンタルランド<4661>(東証プライム)が大本命だが、割安株としては三精テクノロジーズ<6357>(東証スタンダード)やフィンテック グローバル<8789>(東証スタンダード)などが注目される。また、クルーズ船やフェリー運航の商船三井<9104>(東証プライム)や日本郵船<9101>(東証プライム)なども低PER・高配当利回りで魅力的だ。

■公共交通機関へのシフトが高まり新幹線、国内航空株に旅客増期待

 JTBの調査によると、自家用車の使用比率が高かった旅行者が、「5類」移行とともに新幹線や航空機への乗り換えを検討している。この関連の割安株としては、新幹線の東海旅客鉄道<JR東海、9022>(東証プライム)、九州旅客鉄道<JR九州、9142>(東証プライム)が挙げられる。特にJR九州は、西九州新幹線の開業効果が期待できる。航空機では、主力エアラインよりも新規エアラインのスカイマーク<9204>(東証グロース)、スターフライヤー<9206>(東証スタンダード)が出遅れ感がある。スターフライヤーは、今期純利益が大幅増益予想でありながら、PER評価は8倍台と低い。

■テーマパーク関連株ではオリエンタルランド以外にも割安銘柄あり

 テーマパーク関連株では、オリエンタルランド<4661>(東証プライム)が不動の人気を誇るが、割安株限定となると他にも選択肢がある。遊戯機械の三精テクノロジーズ<6357>(東証スタンダード)は、テーマパーク向けのアトラクションやシミュレーターを製造しており、需要回復に伴い受注増加が見込まれる。「ムーミンバレーパーク」を運営するフィンテック グローバル<8789>(東証スタンダード)は、コロナ禍で来場者数が減少した影響もあったが、「5類」移行で回復が期待できる。また、同社はフィンテック事業も展開しており、収益の多角化が進んでいる。

■クルーズ船やフェリー運航の商船三井や日本郵船なども低PER・高配当利回りで魅力

 クルーズ船やフェリー運航の商船三井<9104>(東証プライム)や日本郵船<9101>(東証プライム)なども、旅行関連株の一角を形成する。これらの銘柄は、コロナ禍で業績が悪化したが、低PER・高配当利回りで割安感がある。商船三井は、グループ会社でテーマパーク事業も展開し、観光需要の回復によるシナジー効果が期待できる。日本郵船は、クルーズ船事業のほかにも海運事業を手掛けており、世界的な物流需要の増加により収益改善が見込まれる。観光船とカーフェリー運航の東京汽船<9193>(東証スタンダード)も、配当利回りが高く、割安銘柄として注目される。

 旅行関連株には多様な割安銘柄が存在する。コロナ禍からの脱却とともに、これらの銘柄には再評価のチャンスがあると考えられる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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