清水建設の世界最大級のSEP船「BLUE WIND」が台湾の洋上風力発電所建設に参画

■来年2月からBLUE WINDが台湾沖で稼働

 清水建設<1803>(東証プライム)は4日、台湾沖で建設が進む雲林沖洋上風力発電所プロジェクトにおいて、同社が所有する世界最大級の搭載能力と揚重性能を備えたSEP船「BLUE WIND」が来年2月から稼働すると発表。

 同社は8月31日、同プロジェクトについて定期傭船(賃貸)契約を発電事業者及びSEP船の提供を請け負うノルウェー企業「Fred. Olsen Windcarrier Operations AS社(フレッドオルセンウィンドキャリアオペレーションズ社:FOWIC社)」と締結した。傭船期間は200日間以上に及び、固定の傭船契約期間に加えて延長のオプションも含んでいる。

 このプロジェクトは、日本、ドイツ、フランス、タイの企業8社が設立した発電事業者であるSPC「Yunneng Wind Power Co., Ltd.社(ユンネン風力発電、:YWPC社)」の発注により、台湾中央の西側に位置する雲林沖に640MW(8MW風車を80基)の洋上風力発電所を建設するものである。同社はYWPC社からの要請に基づき、2022年12月からBLUE WINDによる大型モノパイル施工の可能性について同社およびFOWIC社と協議を開始した。YWPC社は協議を経てアジア近辺で調達できる中小規模のSEP船に比べてBLUE WINDが工期・コスト面で秀でたパフォーマンスを発揮できることを確認したことで、BLUE WINDの傭船を当社に申し入れた。

 一方、プロジェクトへのSEP船の提供をYWPC社から請け負うFOWIC社は同社と洋上風車施工について提携関係にあるFred.Olsen Ocean Ltd.社の子会社で、SEP船チャーター事業や洋上風車の運搬・据え付け工事を手掛ける欧州有数の企業である。同社は同社の協力を得てYWPC社を含めた3社による定期傭船契約の検討を進め、同契約のスキームとしてFOWIC社が当社から傭船したBLUE WIND をYWPC社に提供し、基礎工事を請け負うドイツ企業の管理下でのBLUE WINDの稼働が決定した。

 これを契機に、同社はアジア市場でもSEPの運用機会を拡大し、日本市場と併せてSEP船のフル稼働を目指していくとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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