【注目銘柄】クボタは反落も水道インフラ復旧需要期待と2期ぶり最高純益を手掛かりに押し目買い妙味

 クボタ<6326>(東証プライム)は、前日16日に30円安の2186円と6営業日ぶりに反落して引けた。日経平均株価が、282.61円安と7営業日ぶりに反落したことから、年初来約100円高した同社株も、目先の利益を確定する売り物に押された。ただ下値では25日移動平均線をキープし、その25日線が75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆しており、押し目買いも一考余地がありそうだ。今年1月1日に発生した能登半島地震で水道管が破損して被災地各地での断水が長引いており、水道インフラの復旧工事で水道管用のダクタイル鉄管に特需が期待できるほか、目下集計中の前2023年12月期業績も、2回上方修正され、純利益が2期ぶりの過去最高を更新すると推定されることも見直され、フォローの材料となりそうだ。

■水道管向けのダクタイル鉄管では国内シェア6割超とトップ

 同社が、パイプラインシステム事業のなかで水道管向けのダクタイル鉄管を展開しているが、その国内市場のシェアは6割を超すトップメーカーに位置する。能登半島地震の復旧・復興工事では断水、停電を解消するインフラ工事が優先されることになり、関連特需が予想されている。同パイプラインシステム事業の前期第3四半期の売り上げは、前年同期比9.9%増の2515億円と全売り上げの11.1%を占めており、今2024年12月期の業績押し上げ要因として期待される。

 一方、目下集計中の前2023年12月期業績は、昨年8月、今年1月と2回上方修正され売り上げ2兆9500億円(前々期比10.2%増)、営業利益2950億円(同37.6%増)、経常利益3070億円(同32.8%増)、純利益2050億円(同31.0%増)と予想され、純利益は、2021年12月期の過去最高(1756億3700万円)を2期ぶりに大幅更新する。北米、欧州向けに建設機械、農業機械が好調に推移し、原材料価格の上昇や諸経費増加はあったが、値上げ効果と円安・ドル高による為替効果で吸収した。今2024年12月期の業績動向は、今年2月14日に予定している決算発表時の業績ガイダンスを待たなければならないが、中期経営計画では2025年12月期に営業利益3000億円を目標にしているだけに、続伸が期待される。

■GC示現でPER12倍の割安修正に再発進し昨年来高値目指す

 株価は、昨年8月の前期業績の1回目の上方修正に自己株式取得が続き昨年来高値2421円をつけ、1907円まで調整したあと前期業績の2回目の上方修正で2184円の戻り高値までリバウンドし、配当権利落ち安値の2000円大台固めから底上げ途上にあり、5日移動平均線が25日移動平均線を上抜いてミニ・ゴールデンクロス(GC)を示現したあと、今度は25日線が75日移動平均線を上抜くGCを示現して上昇トレンド転換を示唆している。PERは12.6倍と割安であり、昨年9月の昨年来高値2421円奪回に再発進しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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