THKは後場もストップ高買い気配、業績予想を下方修正したが発行株数の16%規模の大型自社株買いなど好感

■ROE向上に向け算出の分母である自己資本のコントロールも重視

 THK<6481>(東証プライム)は11月13日、後場も買い気配のままストップ高(3080円(500円高、19%高)で始まり、まだ始値がつかないまま急伸相場となっている。12日の15時30分に第3四半期決算と12月通期業績予想の下方修正を発表したが、同時にROE10%超の早期実現策と発行株数の16%超の2000万株を上限とする自己株式の取得(自社株買い)なども発表。自社株買いは発行株数の数%規模が一般的なため、大胆な自社株買いだとの見方もあり注目が強まった。

 自社株買いの取得総額は400億円(上限)、取得株式総数は2000万株(自己株式を除く発行済株式総数の16.31%)、取得期間は2024年11月13日から25年11月12日までの予定とした。

 同時に発表した「『ROE10%超の早期実現』の決定について」では、同社を取り巻く外部環境が、地政学リスクの高まり、インフレの進行、中国経済の低迷などと様変わりしており、ROE(株主資本利益率)については、「これまでROEの分子であるリターンを高めることに主眼を置いてきたが、今後は(中略)ROEの分母である自己資本のコントロールもより重視することとし」、ROE10%超を早期に実現するとした。自社株買いの資金は自己資本を取り崩す形になるため、ROE算出の分母の数字の縮小につながる。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■ガソリン・軽油の暫定税率廃止法成立  ガソリン暫定税率廃止法は11月28日に成立し、ガソリン税2…
  2. ■うつ・統合失調症・発達障害を脳から理解する、最前線研究を平易にまとめた一冊  翔泳社は11月25…
  3. 【新築マンションの短期売買を分析】  国土交通省は11月25日、三大都市圏および地方四市の新築マン…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■「大きく産んで小さく育てる」IPO市場、期待裏切る後半戦  48勝2分10敗である。2025年の…
  2. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  3. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  4. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  5. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  6. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る