【株式市場特集】決算発表と好材料同時発表で株価急伸の銘柄群を分析

【ダブルセット・フルセット銘柄、夏休み明けも底堅さに期待】

■上方修正・増配・株式分割の好材料銘柄、44銘柄を確認

 同コラムでは8月8日、前週に続き決算発表に伴い業績上方修正とともに増配、自己株式取得、株式分割などを同時発表した「ダブルセット・フルセット銘柄」について取り上げた。多くの銘柄は発表後にストップ高や年初来高値更新となったが、夏休み明け後に相場全体が反落しても、依然として投資採算上割安な銘柄は底堅い動きを見せる可能性があると指摘した。7月28日から8月8日までの2週間で、フルセット銘柄は7銘柄、ダブルセット銘柄は44銘柄を確認。バリュー株を中心に、夏休み明けの「懐疑」局面やその後の「楽観」局面への期待も示された。

■フルセット7銘柄は高値追いもなお低PER・高配当利回り

 7銘柄を数えるフルセット銘柄の内容は、基本の業績上方修正と増配に自己株式取得・消却や株式分割がオンしたものである。業績上方修正でより割安放置が際立ったのが、PER5.6倍のTREホールディングス<9247>(東証プライム)、6.6倍の加賀電子<8154>(東証プライム)、7.2倍のINPEX<1605>(東証プライム)、11.6倍の第一興商<7458>(東証プライム)、12.8倍の南海電気鉄道<9044>(東証プライム)、13.6倍の日精エー・エス・ビー機械<6284>(東証プライム)で、東証プライム市場の全銘柄平均の16.9倍を下回っている。

 アズーム<3496>(東証プライム)のPERは32.7倍と割高だが、9月30日を基準日とする株式分割(1対2)のプレミアムでカバーしてくれそうである。また増配による配当利回りも市場平均の2.35%を上回る銘柄が多く、INPEXの4.48%をトップに3.88%の第一興商、3.60%の加賀電子、3.50%のTREHD、2・98%の日精ABS機械と続きトップ5を形成する。

■ダブルセット銘柄は配当利回り6%超、PER4倍の超割安株も

 ダブルセットの44銘柄は、業績上方修正に増配が上乗せとなるケースが大半で、業績上方修正に自己株式(優先株を含む)が上乗せとなったケースが8銘柄、西華産業<8061>(東証プライム)のように業績上方修正と株式分割が合わさったレアケースもある。業績上方修正でより割安顕著となったのが、株式分割の権利落ち後高値を更新した木徳神糧<2700>(東証スタンダード)でPERは4・9倍の評価にしか過ぎない。これに続くのが6.2倍のNSユナイテッド海運<9110>(東証プライム)、7.5倍のADワークス<2982>(東証プライム)、7.6倍のスポーツフィールド<7080>(東証グロース)となる。PERが9倍台と10倍を下回る銘柄も5銘柄あり、サンセイランディック<3277>(東証スタンダード)、多木化学<4025>(東証プライム)、川岸工業<5921>(東証スタンダード)、TOYO TIRE<5105>(東証プライム)、東リ<7971>(東証スタンダード)が該当する。

 増配で配当利回りが大幅にアップした銘柄のトップは、6.43%のDIC<4631>(東証プライム)で東証プライム市場の高配当利回りランキングの第6位にもランクインする。次いで5.38%の愛知製鋼<5482>(東証プライム)が続く。4%台の高配当利回り株は群雄割拠状態でコード番号順にあげるとJT<2914>(東証プライム)、日本化学工業<4092>(東証プライム)、淀川製鋼所<5451>(東証プライム)、新日本電工<5563>(東証プライム)、パンチ工業<6165>(東証スタンダード)、前沢給装工業<6485>(東証スタンダード)、東リ、NSユナイテッド海運、スペース<9622>(東証プライム)と続く。インカムゲインとともにキャピタルゲインも狙える両建て妙味も示唆しているようである。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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