【どう見るこの相場】日本株:投資家の選択肢に迷い、AI関連株への集中投資か、出遅れ株への分散投資か

■日米同時最高値への買い遅れは「TOPIXコア30」と「01銘柄」の出遅れ株でカバー

 日米同時最高値である。連日、上場来高値を更新するのを目にすると当然、「持たざるリスク」が意識される。買い遅れた投資家の焦りは、半端ではない。しかも買い遅れを解消しようにも、カバーするターゲットをどうするか、「AI(人工知能)関連株以外は用なし」のAI関連株の一本足打法か、「八百屋の店先に並んでいる大根以外、カブはすべて買い」と大型・中小型の出遅れ株、バリュー株に網を広げるのか余計に気迷っているに違いないのである。

■米国金融政策:利下げがAI関連株を押し上げ、投資家の期待高まる

 米国市場は、今週相次いで日米がともに金融政策会合を開催する中央銀行ウイークからもAI関連株の一本足打法の加速が有力である。FRB(米連邦制度理事会)のFOMC(公開市場委員会)では、物価高は微妙でインフレ鎮静とまではいかないものの、パウエルFRB議長は、過日のジャクソンホール会合での講演で雇用情勢の減速を認めており、さらにFRB理事を解任したトランプ大統領のプレッシャーも加わり6会合ぶりの政策金利引き下げは間違いないとしてすでに株価に織り込みつつある。一気に0.5%の引き下げか、0.25%の引き下げを年内合計3回かのいずれかを予測し、AI関連株への押し上げ効果が期待される。

■日本銀行: 物価高に利上げの可能性、「物価の番人」として責任果たすか

 日本銀行の場合は、やや事情が異なるようだ。物価高が止まらないからだ。消費者物価指数(全国)は、足元の今年7月も3.1%上昇と8カ月連続で3%を上回り、この心理的なポイントになっているコメ価格も、備蓄米放出で一時落ち付いたものの、新米の収穫・販売開始とともに逆に再び上昇に転じ、家計に痛手となっている。「物価の番人」たる日銀の責任は重大で、政策金利引き上げによる沈静化に期待したいところだが、これにプレッシャーを掛けるはず永田町は目下、自民党の総裁選挙で持ち切りで政治空白中である。しかも総裁選挙でどの候補者が当選しても、少数与党の悲しさで自動的に総理大臣に就任できるわけではなく、首班指名で野党が一本化すれば政権交代の可能性も排除できない綱渡りである。石破首相の退陣表明とともに後継総裁期待で最高値追いとはなったが、浮かれてばかりはいられない。何が起こるかまさに「理想で買って現実で売る」ことにもなり兼ねない。

■商社・銀行株:業績好調が続き、上値余地を残し更なる上昇に期待

 本日のコラムでは、日本株買いの流れに取り残された銘柄に焦点を当てた。日経平均株価を牽引する超値がさ株が注目される一方、かつて日本株の中心であったTOPIXコア30の大型株や「01銘柄」と呼ばれる主力株が、現在では割安な水準に位置していることが明らかになった。TOPIXコア30にはAI関連株に加え、商社や銀行株など、さらなる上昇の余地を持つ銘柄が含まれている。また、「01銘柄」は、純粋な主力株に加えて、低PER・PBRや高配当利回りといった特徴を持つ中小型銘柄が多数存在感を放っており、これらが日本株買いの波に乗り、その地位を回復する可能性が高いと分析している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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