【チャート診断】トヨタは6000円挟んだモミ合いが1カ月継続、政府の景気対策と減益観測が綱引き、5~6月高狙いも一法

チャート診断

 トヨタ自動車<7203>(東1・100株)が2月中旬から6000円を挟んでモミ合っている。底堅いとみることができるし元気がないとみることもできる。とくに、日経平均もトヨタも去る2月12日がボトムだったが、そこから3月30日までの上昇率をみると日経平均が13.5%上昇となっているのに対しトヨタは5.2%の上昇にとどっまっている。日経平均対比では明らかに、トヨタの動きは元気がないといえる。

 元気のない背景は、やはり、2017年3月期の減益見通し観測が一番の要因だろう。四季報・最新号では、17年3月期の予想EPSは718.0円(四季報予想の16年3月期は759.3円)とかなりの落ち込みとなっている。しかも、ここに来て、円高の進んでいることで四季報予想に対し、「そうだろう」という受け取り方になっている。さらに、稼ぎ市場のアメリカの景気に対する心配もある。ただ、減益予想でもPERが8.3倍と低いことと、4月になれば政府及び日銀の景気対策があるだろうということが株価の下値を支えるところとなっているようだ。

 政府等の景気対策が出れば、6000円を挟んだモミ合いを上放れる可能性はありそうだ。ただ、景気対策等が現実化したとしても賞味期限がどのていど続くかは不透明だ。とくに、5月に発表が予定されている3月期決算で17年3月期が四季報通りなのかどうかによって株価の位置は変わってくるだろう。

 ただ、週足チャートでみれば、出遅れ感があるので6700~7200円までの上値は見込めそうである。6000円割れを拾って5~6月に1000円高狙いということに賭けてみるのもよいだろう。

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