【編集長の視点】データセクションは急反落も類似IPO接近に材料株人気が加わって下げ渋る

編集長の視点

ータセクション<3905>(東マ)は、48円安の988円と急反落して始まったが、安値後は1015円と引き戻し下げ渋る動きをみせている。きょう2日の日経平均株価が、前週末30日の米国株価の大幅安の影響で前週末比183円安と反落してスタートしていることから同社株にも目先の利益を確保する売り物が先行した。ただ下値では、昨年12月26日以来、休止していたIPO(新規株式公開)市場が、2月12日に新規上場のKeePer技研<6036>(東マ)から再開され、2月19日には同社と同業態のビッグデータの総合管理・分析事業を展開するALBERT<3906>(東マ)がIPOされることを先取りした直近IPO買いや、同社が、今年1月27日に発表した口コミ検知ツール「Insight Checker for Foods&Restaurants」を見直した材料株買いが入っており、逆行高思惑が続いている。

■SNS上の異物混入などのつぶやきをリアルタイムに分析しアラームを発信

「Insight Checker for Foods&Restaurants」は、昨年12月以来、食品業界で異物混入や自主回収が頻発、従来の保健所などへの通報よりもソーシャルメディア(SNS)上のつぶやきとして拡散することが先行してツイッターが炎上するケースが増え大きな社会問題化しており、このSNS上のつぶやきから早急に対応が必要な言葉を抽出し、同社独自のアルゴリズムにより一定量の閾値を超えた段階でターゲット企業の食品メーカーや外食チェーンの担当者にアラームを発信、月額8万円で提供する。株価は、この新サービス提供とともにストップ高を演じた。

同社は、今3月期業績も売り上げ4億900万円(前期比29.0%増)、経常利益1億1000万円(同83.3%増)、純利益7000万円(同55.6%増)と大幅増収増益が予想されており、今年2月中旬にはIPO後初決算となる今3月期第3四半期業績を発表予定であり、注目を集めよう。なおALBERTは、仮条件を2600円~2800円としており、2月9日に公開価格が決定されるスケジュールにある。

■再三、ストップ高の急騰習性の再現期待を高め最高値再チャレンジ

株価は、昨年12月24日に公開価格520円でIPOされて900円で初値をつけ即ストップ高、翌2日もストップ高して1460円まで買い進まれ、大納会でつけた1006円の調整安値から大発会はストップ高でスタートして上場来高値1730円まで上げ公開価格比3.3倍の大化けを演じた。この後の再調整安値958円からは口コミ検知ツールに反応してストップ高し1269円の戻り高値をつけ、1000円台固めを続けてきた。直近IPO株人気と材料株思惑の相乗効果、さらに類似IPO株との比較感も働き再三、ストップ高した急騰習性の再現期待を高め下値からの最高値再チャレンジが見込まれる。(本紙編集長・浅妻昭治)

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