加賀電子は06年来の高値圏、18年3月期営業増益予想で上振れ余地

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 加賀電子<8154>(東1)は半導体・電子部品・情報機器の販売、およびEMSなどを展開する独立系のエレクトロニクス商社である。18年3月期は需要回復して営業増益予想である。株価は水準を切り上げて06年来の高値圏だ。上値を試す展開が期待される。なお8月8日に第1四半期決算発表を予定している。

■独立系エレクトロニクス商社でEMSも展開

 半導体・電子部品・情報機器・ソフトウェアなどの販売、およびEMS(電子機器の受託開発製造サービス)などを展開する独立系のエレクトロニクス商社である。

 中期経営計画2018では18年9月の会社設立50周年に向けた総決算として、経営目標値に19年3月期売上高2900億円、経常利益100億円、ROE8%以上を掲げている。

 収益基盤強化に向けて重点市場の深堀(車載、環境、通信、産業機器、アミューズメント)、重点客先の関係強化、海外ビジネスの拡大、新規事業の創出(医療・ヘルスケア、素材)を推進する。また経営基盤強化に向けて販管費削減、グループ再編、コーポレートガバナンス体制強化、コンプライアンス遵守を推進する。

 IoT分野では、自社開発のマルチGNSS(全地球衛星測位システム)端末、ユビキタスと共同開発した高機能HEMSゲートウェイ機器などを拡販する。AR(拡張現実)の分野では16年8月、浅草花やしきでアイウェア型ウェアラブルデバイス「Telepathy Walker」を装着するAR遊園地が稼働した。17年5月にはベンチャー投資を本格化すると発表した。約3年間で総額50億円をベンチャー企業・事業に投資する。

■18年3月期営業増益予想、半導体需要高水準で上振れ余地

 今期(18年3月期)連結業績予想(5月10日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比1.2%増の2300億円、営業利益が同1.8%増の70億円、経常利益が同2.1%増の75億円、純利益が同21.2%減の55億円としている。

 純利益はグループ再編に伴う法人税等調整額減少が一巡して減益予想だが、需要回復などで営業増益予想である。半導体需要が高水準のため通期予想に上振れ余地があるだろう。配当予想は前期と同額の年間60円である。前期の年間60円には特別配当20円を含んでいるため普通配当ベースでは20円増配となる。

■株価は水準切り上げて06年来の高値圏

 株価は水準を切り上げる展開で7月26日には2497円まで上伸した。06年来の高値圏である。

 7月27日の終値2441円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS200円47銭で算出)は12~13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間60円で算出)は2.5%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2401円00銭で算出)は1.0倍近辺である。時価総額は約701億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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