インテージホールディングスは上場来高値圏、18年3月期減益予想だが5期連続増配予想

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 インテージホールディングス<4326>(東1)は市場調査事業を主力として、システムソリューション分野や医薬情報分野にも展開している。18年3月期減益予想だが5期連続増配予想である。株価は上場来高値圏で堅調だ。ビッグデータ・AI関連としても注目され、上値を試す展開が期待される。なお11月10日に第2四半期決算発表を予定している。

■国内首位の市場調査が主力、システムソリューションなども展開

 子会社インテージのSCI(全国個人消費者パネル調査)やi-SSP(インテージシングルソースパネル)など、国内首位・世界9位の市場調査事業を主力として、システムソリューション分野や医薬情報分野にも展開している。10月10日にはアメリカ・マーケティング協会(AMA)が発行する「THE 2017 AMA GOLD GLOBAL TOP25 REPORT」で、昨年に続き世界9位になったと発表している。

 国内外における積極的なM&A・アライアンス戦略で業容を拡大している。10月10日にはSBIインベストメントと共同で設立したプライベートファンド「INTAGE Open Innovation」を通じて、P.A.I.(パーソナル人工知能)「al+(オルツ)」を開発するオルツに投資したと発表している。

 17年3月期のセグメント別売上構成比は、消費財・サービス分野のマーケティング支援事業(事業会社インテージ、インテージリサーチ、アクセス・ジェーピー、海外子会社)66%、ヘルスケア分野のマーケティング支援事業(事業会社アンテリオ、アスクレップ、医療情報総合研究所、プラメド)22%、ITソリューション分野のビジネスインテリジェンス事業(事業会社インテージテクノスフィア)12%、営業利益構成比は消費財・サービス分野のマーケティング支援事業56%、ヘルスケア分野のマーケティング支援事業35%、ITソリューション分野のビジネスインテリジェンス事業9%だった。収益面では期後半の構成比が高い特性がある。

 第12次中期経営計画(18年3月期~20年3月期)では経営目標値に20年3月期売上高620億円(消費財・サービス分野マーケティング支援事業394億円、ヘルスケア分野マーケティング支援事業126億円、ビジネスインテリジェンス事業100億円)、営業利益50億円を掲げている。成長投資を推進して売上高に対するR&D経費比率を従来の1%水準から2%水準に引き上げる。株主還元はROAを意識して配当性向35%を目安とする。

■18年3月期減益予想だが5期連続増配予想

 今期(18年3月期)の連結業績予想(5月12日公表)は売上高が前期(17年3月期)比6.3%増の510億円、営業利益が6.3%減の40億円、経常利益が5.5%減の41億50百万円、純利益が2.5%減の28億円としている。

 第1四半期(4~6月)の連結業績は売上高が前年同期比5.9%増収、営業利益が24.8%減益、経常利益が18.9%増益、純利益が28.6%増益だった。ビッグデータ関連など新規事業への先行投資などで営業利益は減益だったが、受取配当金の増加で経常利益と純利益は増益だった。通期ベースでも開発費の増加などで減益予想としている。ただし保守的な印象も強い。

 配当予想は年間20円(期末一括)としている。17年10月1日付株式2分割を考慮して、前期の年間35円を17円50銭に換算すると2円50銭増配となる。5期連続増配で予想配当性向は28.6%となる。

■株価は上場来高値圏で堅調

 株価(17年10月1日付で株式2分割)は9月19日に上場来高値1460円まで上伸し、その後も高値圏で堅調に推移している。

 10月10日の終値1378円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS70円11銭で算出)は19~20倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は1.5%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS589円87銭で算出)は2.3倍近辺である。時価総額は約554億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。ビッグデータ・AI(人工知能)関連としても注目され、上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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