【特集】秋相場のテーマ株に浮上するかもしれない注目銘柄とは!?

【中間期業績を上方修正した銘柄】

 当特集では、「百年河清を俟(ま)つ」のではなく、あと1カ月か2カ月待って秋相場のテーマ株に浮上するかもしれない銘柄群に注目することとした。今年7月末から8月にかけた四半期決算の発表時に中間期業績を上方修正した銘柄である。通常の業績上方修正銘柄といえば、通期業績を上方修正した銘柄になる。しかしにもかかわらず、決算期は12月期、3月期、1月期と異なるが、中間期業績を上方修正した銘柄をなぜ取り上げるかといえば、修正を慎重に中間期業績のみにとどめたことは、決算期の進行とともに通期業績を上方修正するもう一度のチャンスを内包していることになるかもしれないからだ。

■ストップ高の高感応度銘柄を中心に年初来高値銘柄は再度のサプライズも

 中間期業績を上方修正した銘柄の株価感応度を詳しくみると5つのパターンにグループ化できそうだ。第1のグループは、上方修正がサプライズとなってストップ高した銘柄で、明豊ファシリティワークス<1717>(東2)太平電業<1968>(東1)ポート<7047>(東マ・福Q)の3銘柄で、明豊ファシリはその後も高値を追い、太平電業、ポートはほぼ往って来いとなっているが、通期業績が上ぶれるようなら再度のサプライズ高も期待される。

 第2は、この株価パターンの銘柄が多いが、上方修正とともに年初来高値を更新した銘柄である。コード番号順に上げるとウィル<3241>(東1)フォーライフ<3477>(東マ)東洋ビジネスエンジニアリング<4828>(東1)東京鉄鋼<5445>(東1)メタルアート<5644>(東2)オルガノ<6368>(東1)兼松エンジニアリング<6402>(東1)SPK<7466>(東1)タムロン<7740>(東1)などで、投資採算的にも割安水準にあるだけに下値買い妙味を示唆している。

 第3は、上方修正以来、8月の波乱相場を尻目に一貫して上昇し戻りを試している銘柄で、アルテ サロン ホールディングス<2406>(JQS)、関東電化<4047>(東1)バンダイナムコホールディングス<7832>(東1)日本エスコン<8892>(東1)が該当し、関東電化、日エスコンなどなお低PER放置となっているだけに、上値余地が大きそうだ。

■年初来安値から底上げの倉庫株やマイナス感応度銘柄は「リターン・リバーサル」妙味

 第4のグループ株は、上方修正がキッカケで年初来安値から底上げした銘柄で、前記のポートのほか三井倉庫ホールディングス<9302>(東1)住友倉庫<9303>(東1)の3銘柄となる。倉庫株は、相場の最終盤ステージで動意付く株価習性があり、さらに湾岸エリアに保有する営業倉庫用地に含み資産思惑が働きやすいだけに、このところ人気の不動産投資信託(REIT)への一段のツレ高も想定される。

 最後のグループ株は、上方修正にもかかわらずむしろ株価が値下がりの反応をし、なかには年初来安値追いとなった銘柄である。日本アクア<1429>(東1)クレハ<4023>(東1)大倉工業<4221>(東1)ミライアル<4238>(東1)サカタインクス<4633>(東1)三谷セキサン<5273>(東1)ローランド ディ.ジー.<6789>(東1)商船三井<9104>(東1)大垣共立銀行<8361>(東1)ビジネスブレイン太田昭和<9658>(東1)などで、低PER・PBR水準を余儀なくされているだけに、下げた株ほど良く戻るとする「リターン・リバーサル」対応も、有望となりそうだ。

【関連記事情報】
【どう見るこの相場】「トランプ米大統領」リスクより、中間業績の上方修正銘柄の秋相場を優先

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る