KeyHolderは上値試す

日インタビュ新聞ロゴ

 KeyHolder<4712>(JQ)は総合エンターテインメント事業を中心に新たな収益柱構築を目指している。当面は新型コロナウイルスで公演・イベント自粛などの影響を受けるが、中期的に収益改善を期待したい。株価は急伸して一気に年初来高値更新を更新している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■総合エンターテインメント事業で新たな収益柱構築目指す

 Jトラスト<8508>グループで、17年10月旧アドアーズが持株会社へ移行して商号をKeyHolderに変更した。18年3月には子会社アドアーズを譲渡してアミューズメント施設運営領域から撤退し、ライブ・エンターテインメントやテレビ番組制作等の総合エンターテインメント事業を中心に、新たな収益柱構築を目指している。

 19年3月子会社SKEが芸能プロダクションAKSから譲り受けたSKE48事業を開始、19年3月SAMURAI&J PARTNERS<4764>と業務提携して新株予約権引き受け、19年4月広告・プロモーション企画制作のオルファスを子会社化、テレビ番組制作のフーリンラージを子会社化した。

 19年5月フーリンラージが民事再生手続申し立てのイメージフィールドとスポンサー支援基本合意書を締結、19年6月カラコン事業を開始、19年7月SKEが商号をゼストに変更、オルファスがKeyStudioを吸収合併、フーリンラージがイメージフィールドから映像制作事業を譲り受け、19年8月フーリンラージがKeyProductionを吸収合併、フーリンラージが商号をUNITED PRODUCTIONSに変更、19年10月映像制作クリエイター・スタッフ派遣のワイゼンラージを子会社化した。

 20年1月には角川春樹事務所と、各種イベント企画・運営およびモデル・タレントマネジメントの合弁会社ホールワールドメディアを設立した。20年5月には女性アイドルグループ「乃木坂46」運営の芸能プロダクション会社ノース・リバーの全株式取得(20年7月1日予定)に関する基本合意書を締結、子会社キーノートにおける新事業開始(不動産特定共同事業法に基づくクラウドファンディング事業、20年7月上旬予定)を発表した。

■20年12月期黒字予想

 20年12月期連結業績(IFRS)予想は、19年12月期が決算期変更で9ヶ月決算のため比較はできないが、売上収益が160億円、営業利益が2億50百万円の黒字、親会社所有者帰属当期利益が50百万円の黒字としている。配当予想は19年12月期と同額の1円(期末一括)としている。

 総合エンターテインメント事業では所属アーティスト・タレントやコンテンツの拡充、エージェント機能の付与、新作ゲームアプリの展開、媒体・モデルを活用した情報発信・イベントの強化など、映像制作事業では海外映像配信プラットフォームへの着手、制作会社からコンテンツホルダーへの転換など、広告代理店事業では新規案件受託など、不動産事業では収益不動産の活用、戸建分譲の再構築などを推進する。

 第1四半期(1~3月)は売上高が32億75百万円、営業利益が1億44百万円の赤字だった。19年12月期が決算期変更で9ヶ月決算のため前年第1四半期(4~6月)との比較はできないが、売上拡大に注力した。当面は新型コロナウイルスで公演・イベント自粛などの影響を受けるが、中期的に収益改善を期待したい。

■株主優待制度は6月末10単元以上保有株主対象

 株主優待制度は19年3月期末から対象株主を1000株(10単元)以上保有株主に変更した。なお新型コロナウイルスの影響で19年3月期末対象の株主優待制度は中止した。また決算期変更に伴って20年12月期から基準日を毎年6月30日に変更(詳細は会社HP参照)しているが、新型コロナウイルスの影響で20年6月末対象の株主優待制度の実施は未定としている。

■株価は上値試す

 株価は急伸して一気に年初来高値更新を更新している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。5月28日の終値は129円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS32銭で算出)は403倍、今期予想配当利回り(会社予想の1円で算出)は約0.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS72円43銭で算出)は約1.8倍、時価総額は約207億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る