クリナップは22年3月期増収増益予想

(決算速報)
 クリナップ<7955>(東1)は5月11日の取引時間終了後に21年3月期連結業績を発表した。新型コロナウイルスの影響を受けて減収だが、リフォーム需要が緩やかに回復傾向となり、原価低減効果も寄与して各利益は増益で着地した。22年3月期は増収増益予想としている。収益拡大を期待したい。株価は下値を切り上げている。増収増益予想を評価して戻りを試す展開を期待したい。

■21年3月期は減収だが増益、22年3月期は増収増益予想

 21年3月期の連結業績(4月16日に売上高、利益とも上方修正)は、売上高が20年3月期比3.1%減の1041億85百万円、営業利益が4.6%増の26億14百万円、経常利益が6.6%増の27億14百万円、親会社株主帰属当期純利益が19.2%増の17億46百万円だった。配当は20年3月期と同額の20円(第2四半期末10円、期末10円)とした。

 新型コロナウイルスの影響を受けて減収だが、巣ごもり消費でリフォーム需要が緩やかに回復傾向となり、原価低減効果も寄与して各利益は増益で着地した。厨房部門は2.3%減収、浴槽・洗面部門は7.2%減収だった。なお特別利益に雇用調整助成金1億41百万円を計上した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高220億27百万円で営業利益5億07百万円の赤字、第2四半期は売上高256億45百万円で営業利益5億92百万円、第3四半期は売上高291億36百万円で営業利益22億24百万円、第4四半期は売上高273億77百万円で営業利益3億05百万円だった。

 22年3月期の連結業績予想は、売上高が21年3月期比5.6%増の1100億円、営業利益が7.1%増の28億円、経常利益が6.8%増の29億、親会社株主帰属当期純利益が3.1%増の18億円としている。配当予想は20年3月期と同額の20円(第2四半期末10円、期末10円)とした。

 新型コロナウイルスの影響が不透明だが、積極的な営業活動、生産設備の整備、ショールームの改装、情報基盤整備への投資、原価低減、全社的なコスト削減を推進するとしている。収益拡大を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は下値を切り上げている。増収増益予想を評価して戻りを試す展開を期待したい。5月11日の終値は551円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS48円79銭で算出)は約11倍、時価総額は約206億円である。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る