ASIAN STARは底放れの動き、22年12月期通期黒字転換予想据え置き

(決算速報)
 ASIAN STAR(エイシアンスター)<8946>(東証スタンダード)は11月11日の取引時間終了後に22年12月期第3四半期累計の連結業績を発表した。前期の1棟収益マンション販売の反動で減収となり、中国・上海のロックダウンによる一部経費の増加も影響して営業・経常赤字だった。ただし四半期別に見ると第3四半期は営業黒字に転換した。そして通期黒字転換予想を据え置いている。収益改善基調を期待したい。株価は安値圏の小幅レンジでモミ合う形だったが、徐々に水準を切り上げて底放れの動きを強めている。出直りを期待したい。

■22年12月期3Q累計営業赤字だが3Qは営業黒字転換

 22年12月期第3四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比12.0%減の18億67百万円、営業利益が2百万円の赤字(前年同期は64百万円の黒字)、経常利益が7百万円の赤字(同70百万円の黒字)、親会社株主帰属四半期純利益が特別利益計上で8百万円の黒字(同46百万円の黒字)だった。

 前期の1棟収益マンション販売の反動で減収となり、中国・上海のロックダウン影響による一部経費の増加も影響して営業・経常赤字だった。なお特別利益に違約金収入(埼玉県三郷市の物流事業用地販売に係る賠償金)34百万円を計上した。

 不動産販売事業は、売上高が前期の1棟収益マンション販売の反動で8.7減収だが、セグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)は第3四半期に埼玉県三郷市の物流事業用地を販売して3.2%増の46百万円だった。不動産管理事業は売上高が3.2%増収と堅調に推移したが、利益は0.8%減の1億02百万円だった。不動産賃貸事業は、売上高が中国・上海ロックダウンで稼働停止したため6.2%減収だが、利益は経費削減などで5.0%増の66百万円だった。不動産仲介事業は、中国・上海ロックダウンの影響で39.3%減収となり、利益は71.5%減の32百万円だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が4億03百万円で営業利益が34百万円の赤字、第2四半期は売上高が6億21百万円で営業利益が6百万円の赤字、第3四半期は売上高が8億43百万円で営業利益が38百万円の黒字だった。第3四半期は営業黒字に転換した。

 通期連結業績予想は据え置いて、売上高が21年12月期比35.2%増の34億39百万円、営業利益が1億10百万円の黒字(21年12月期は3百万円の赤字)、経常利益が1億11百万円の黒字(同4百万円の黒字)、親会社株主帰属当期純利益が69百万円の黒字(同21百万円の赤字)としている。

 第3四半期累計は前期の1棟収益マンション販売の反動や中国・上海ロックダウン影響などで営業・経常赤字だったが、四半期別に見ると第3四半期は営業黒字に転換した。そして通期黒字転換予想を据え置いている。収益改善基調を期待したい。

■株価は底放れの動き

 株価は安値圏の小幅レンジでモミ合う形だったが、徐々に水準を切り上げて底放れの動きを強めている。出直りを期待したい。11月11日の終値は83円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS3円62銭で算出)は約23倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS84円86銭で算出)は約1.0倍、そして時価総額は約16億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る