【アナリスト水田雅展の銘柄分析】松田産業は5月安値を割り込まず下値支持線を確認、指標面の割安感評価して出直り

銘柄分析

 貴金属リサイクル事業の松田産業<7456>(東1)の株価は、9月25日の戻り高値1333円から9月中間配当落ちなどで反落し、全般地合い悪化が影響して10月17日の1130円まで調整した。しかし10月27日には1200円近辺まで戻して切り返しの動きを強めている。5月安値1117円を割り込まずに反発して1100円台の下値支持線を確認した形だ。指標面の割安感を評価して出直り展開だろう。

 貴金属リサイクルを主力とする貴金属関連事業、および農林水産品を扱う食品関連事業を展開している。貴金属関連事業では「東アジアNO.1リファイナー」を目指して、国内外の拠点拡充・効率化、製品・技術開発強化を推進している。海外は中国、台湾、シンガポール、タイ、フィリピン、マレーシア、ベトナムに展開し、ベトナムでは14年3月に現地法人を設立して工場建設に着手した。食品関連事業は中国、タイに拠点展開している。

 今期(15年3月期)の連結業績見通しは、前回予想(5月12日公表)を据え置いて売上高が前期比2.8%増の1700億円、営業利益が同4.4%増の47億円、経常利益が同2.2%増の50億円、純利益が同2.4%増の32億70百万円、そして配当予想が前期と同額の年間24円(第2四半期末12円、期末12円)としている。

 セグメント別の計画を見ると、貴金属関連事業は産業廃棄物の取扱量増加などで売上高が同1.6%増の1200億円、営業利益が同4.9%増の39億円、食品関連事業は水産品・畜産品の販売数量増加や農産品の価格上昇などで売上高が同5.7%増の500億円、営業利益が同1.9%増の8億円としている。

 第1四半期(4月~6月)は貴金属関連事業の数量減少や市況下落が影響して前年同期比0.4%減収、同33.8%営業減益、同22.6%経常減益、同18.0%最終減益で、通期見通しに対する進捗率は売上高が25.3%、営業利益が19.8%、経常利益が21.4%、純利益が21.8%とやや低水準だった。しかし半導体・電子部品業界の生産が回復基調であり、市況回復や新規需要先開拓も寄与して通期ベースでは挽回が期待される。

 株価の動きを見ると、9月25日の戻り高値1333円から9月中間配当落ちなどで反落し、その後は全般地合い悪化が影響して10月17日の1130円まで調整した。しかし5月安値1117円を割り込まず、10月27日には1200円近辺まで戻して切り返しの動きを強めている。調整が一巡したようだ。

 10月27日の終値1193円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS121円62銭で算出)は9~10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間24円で算出)は2.0%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1778円38銭で算出)は0.7倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んで調整局面だが、5月安値を割り込まずに反発して1100円台の下値支持線を確認した形だ。指標面の割安感を評価して出直り展開だろう。

>>松田産業のMedia-IR企業情報

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る