【どう見るこの株】JTOWERは1月の高値を目指す、22年3月期EBITDA大幅増益予想

 JTOWER<4485>(東マ)は通信インフラシェアリング事業を主力としている。22年3月期は先行投資費用で営業減益だが、国内の導入物件数が順調に増加して大幅増収、EBITDA大幅増益予想としている。収益拡大基調を期待したい。株価は戻り一服の形となったが、自律調整を交えながら1月の上場来高値を目指す展開を期待したい。

■通信インフラシェアリング事業が主力

 携帯キャリア各社の携帯基地局関連インフラ(装置、アンテナ、工事、構築物、電源、ファイバーなど)設備投資を一本化して、各社へシェアリングする通信インフラシェアリング事業(IBS事業)を主力としている。さらに周辺事業として海外IBS事業、ソリューション事業、新規事業として屋外の鉄塔などの携帯インフラのシェアリングを行うタワー事業も展開している。

 22年3月期第1四半期末の国内IBS事業累計導入物件数は、21年3月期末比8件増加の348件(累計導入済み物件数が15件増加の242件、新規導入予定物件数が7件減少の106件)となった。

 21年7月には重点成長戦略と位置付けるタワー事業において、NTT西日本が保有する通信鉄塔71基のカーブアウトに関する基本契約(取得金額は概算約7億円の見込み)を締結した。今後も通信事業者が保有している通信鉄塔のカーブアウトの取り組みを拡大する。

 海外はベトナムでIBS事業を展開する子会社SPNが20年11月に、同事業を展開するTHIEN VIET COMPANY LMITEDが保有するIBS資産(63物件)買取契約を締結した。成長が見込まれるベトナムのIBS対策需要を取り込む。

■22年3月期大幅増収・EBITDA大幅増益予想

 22年3月期の連結業績予想は、売上高が21年3月期比31.4%増の46億円で、EBITDAが17.8%増の15億90百万円、営業利益が37.9%減の2億60百万円、経常利益が0.6%増の1億80百万円、親会社株主帰属当期純利益が80.3%減の1億円としている。

 第1四半期は売上高が前年同期比13.6%増の9億30百万円、EBITDAが20.4%増の3億81百万円、営業利益が21.2%増の1億22百万円、経常利益が5.9%減の88百万円、親会社株主帰属四半期純利益が2.4%減の54百万円だった。ナビック連結除外の影響を除くと実質21%増収だった。第三者割当増資等で一時費用が発生したが、国内IBS事業が29%増収と牽引して吸収した。

 通期は先行投資費用で営業減益だが、国内IBS事業における新規導入物件数が順調に増加して大幅増収、EBITDA大幅増益予想としている。ベトナム事業も第2四半期以降、順次収益貢献する見込みだ。なおコスト面では、開発費およびローカル5G関連費用が第2四半期以降に発生する見込みとしている。第1四半期が概ね計画水準であり、通期ベースでも収益拡大基調を期待したい。

■株価は1月の高値を目指す

 株価は戻り一服の形となったが、自律調整を交えながら1月の上場来高値を目指す展開を期待したい。9月29日は一時8250円まで下げ、時価総額は約1835億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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