【どう見るこの株】フライトソリューションズは前日比変わらずも業績下方修正を最新モデル発表などでリカバーして煮詰まる

 フライトソリューションズ<3753>(東証スタンダード)は、前日11日に3営業連続の前日比変わらずの310円で引けた。同社株は、今年2月13日に目下集計中の2024年3月期業績の下方修正・赤字転換を発表して年初来安値299円まで売られたが、下方修正が、予定していた受注の次期ずれ込みなどを要因としているほか、主力製品の積極的な拡販も予定し、4月3日にはマルチ決済装置「Incredist」シリーズの最新モデル「PremiumⅢ」も発表しており、業績リカバリーを強めるとしてやや底上げし、25日移動平均線出没の三角保ち合いを続けてきた。この保ち合いは、日柄的に約2カ月経過しており煮詰まりからの上放れの打診買いも交錯している。

■「Incredist」シリーズや「VP6800」の拡販でシェアを拡大

 同社の目下集計中の2024年3月期業績は、昨年9月に第2四半期(2023年4月~9月期、2Q)累計業績が上方修正されたものの、通期業績は、今年2月に一転して下方修正された。通期業績は、期初予想より売り上げを2億5000万円、利益を1億8000万円~2億円引き下げ、売り上げ32億5000万円(前々期比8.0%増)、営業利益8000万円の赤字(前々期は7900万円の黒字)、経常利益9000万円の赤字(同5600万円の黒字)、純利益1億円の赤字(同4100万円の黒字)と見込んだ。コインパーキングなどの無人精算機向けマルチ決済端末「VP6800」で大型納品があり売り上げが計画を約5億円上回ったが、原材料費高騰や円安・ドル高の影響で十分に利益が確保できず、また第4四半期に予定していた約7億円の「Incredist」の受注が、次期にずれ込んだことなどが響いた。

 これに対して同社は、次期について「Incredist」シリーズや「VP6800」の拡販でシェアを拡大させ、タッチ決済ソリューション「Tapion」の基盤を強化し、飲食店で採用が拡大しているテーブルトップオーダー向けの「Tapion タブレット」を戦略展開することなどで業績回復を図る。このうち今年4月発表の最新モデル「Incredist Premium」は、マイナンバーカード読み取りに対応するとともにタッチ画面の多色LEDやサウンド機能も装備している。また加賀電子<8154>(東証プライム)と提携して海外からの部品を確保し、製造は、岩崎通信機<6704>(東証プライム)の子会社が担当する。

■25日線出没の三角保ち合いが2カ月続きまず年初来高値奪回へ上放れ

 株価は、昨年9月の2Q累計業績の上方修正で450円と上昇し、その後の300円台央の保ち合い場面では新サービス・新アプリ発表で上ぶれたが、今年2月の通期業績の下方修正では年初来安値299円まで調整し、25日移動平均線を出没して方向感を探る三角保ち合いが2カ月続いた。新モデル投入による次期業績への期待を高め、煮詰まってきた三角保ち合いを上放れ年初来高値362円奪回から昨年1月高値512円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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