クリナップは22年3月期3Q累計大幅増益で通期利益予想を超過達成

(決算速報)
クリナップ<7955>(東1、新市場区分プライム)は2月4日の取引時間終了後に22年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。需要が回復傾向となり、高付加価値商品の投入や原価低減などの効果も寄与して大幅増益だった。そして各利益は通期予想を大幅に超過達成した。原材料高の影響など不透明感を考慮して通期予想を据え置いたが、各利益は再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化の影響で上値を切り下げる形だが、調整一巡して反発の動きを強めている。好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。

■22年3月期3Q累計大幅増益、通期は再上振れの可能性

22年3月期第3四半期累計の連結業績(収益認識会計基準適用)は、売上高が前年同期比15.2%増の549億37百万円、営業利益が21億66百万円(前年同期は85百万円)、経常利益が24億10百万円(同1億71百万円)、親会社株主帰属四半期純利益が15億52百万円(同1億42百万円の赤字)だった。

収益認識会計基準適用の影響額として、売上高が6億21百万円増加、売上原価が9億50百万円増加、売上総利益が3億29百万円減少、販管費が61百万円減少、営業利益が2億67百万円減少、営業外費用が3億14百万円減少、経常利益が46百万円増加、税金等調整前四半期純利益が46百万円増加している。

政府による住宅取得支援策なども背景として新設住宅着工戸数が前年を上回るなど需要が回復傾向となり、高付加価値商品の投入や原価低減などの効果も寄与して大幅増益だった。部門売上高は厨房部門が11.8%増の672億98百万円、浴槽・洗面部門が2.6%増の117億89百万円だった。

四半期別に見ると、第1四半期は売上高が269億01百万円で営業利益が10億90百万円、第2四半期は売上高が280億36百万円で営業利益が10億76百万円、そして第3四半期は売上高が306億39百万円で営業利益が19億24百万円だった。

通期の連結業績予想(21年11月5日に上方修正)は据え置いて、売上高が21年3月期比8.0%増の1125億円、営業利益が22.4%増の32億円、経常利益が32.6%増の36億円、親会社株主帰属当期純利益が31.7%増の23億円としている。配当予想は据え置いて21年3月期と同額の20円(第2四半期末10円、期末10円)としている。

原材料高の影響など不透明感を考慮して通期予想を据え置いたが、通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が76.1%、営業利益が127.8%、経常利益が123.9%、親会社株主帰属当期純利益が127.3%で、各利益は通期予想を大幅に超過達成している。各利益は再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株価は戻り試す

株価は地合い悪化の影響で上値を切り下げる形だが、調整一巡して反発の動きを強めている。好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。2月4日の終値は550円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS62円35銭で算出)は約9倍、時価総額は約206億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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