ミロク情報サービスは22年3月期通期利益・配当予想を上方修正

(決算速報)
ミロク情報サービス<9928>(東1、新市場区分プライム)は2月4日の取引時間中に22年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。クラウドサービスの利用社数増加、ストック型のソフト使用料収入の伸長などで、先行投資を吸収して増収増益だった。そして通期利益・配当予想を上方修正した。クラウドサービスの伸長や積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化の影響で昨年来安値を更新する展開だったが、売り一巡して反発の動きとなり、さらに上方修正も好感して戻り足を速める形となった。底打ちして出直りを期待したい。

■22年3月期3Q累計増収増益、通期利益・配当予想を上方修正

22年3月期第3四半期累計の連結業績(収益認識会計基準適用だが影響軽微、増減率は適用前の前年同期実績との比較)は、売上高が前年同期比9.2%増の272億67百万円、営業利益が5.3%増の37億95百万円、経常利益が5.7%増の38億09百万円、親会社株主帰属四半期純利益が97.3%増の39億15百万円だった。特別利益にはpring社株式譲渡に伴う関係会社株式売却益20億87百万円を計上した。

ストック型のサービス収入が牽引し、新製品リリースに伴う製品償却費の負担増や人件費の増加など先行投資を吸収して増収増益だった。収益認識会計基準適用の影響額としては、売上高が2億22百万円減少、売上原価が2億35百万円減少、営業利益、経常利益、税金等調整前四半期純利益がそれぞれ12百万円増加している。

システム導入契約売上高は前年同期比5.4%増の152億08百万円(ハードウェアが16.6%減の23億94百万円、ソフトウェアが12.0%増の93億95百万円、ユースウェアが7.9%増の34億18百万円)だった。

サービス収入は7.1%増の96億31百万円(会計事務所向けTVSが1.9%増の18億87百万円、ソフト使用料収入が21.5%増の19億91百万円、企業向けソフトウェア運用サービスが6.4%増の41億60百万円、ハードウェア・ネットワーク保守サービスが3.4%増の11億30百万円、サプライ・オフィス用品が7.0%減の4億61百万円)だった。ストック型のソフト使用料収入がサブスクリプションモデル採用なども寄与して大幅伸長した。

四半期別に見ると、第1四半期は売上高が87億47百万円で営業利益が9億39百万円、第2四半期は売上高が90億34百万円で営業利益が14億23百万円、第3四半期は売上高が94億86百万円で営業利益が14億33百万円だった。

通期の連結業績予想(特別利益計上に伴って21年7月13日付で親会社株主帰属当期純利益を14億30百万円上方修正)は、2月4日付で売上高を下方修正、営業利益を5億70百万円、経常利益を6億円、親会社株主帰属当期純利益を5億20百万円それぞれ上方修正して、売上高が21年3月期比7.1%増の365億円、営業利益が1.6%増の46億円、経常利益が2.0%増の46億円、親会社株主帰属当期純利益が63.1%増の43億30百万円とした。配当予想も2月4日付で期末7円上方修正して、21年3月期比7円増配の45円(期末一括)とした。

売上高は従来予想を若干下回るが、ストック型のソフト使用料収入の伸長で先行投資を吸収する見込みだ。営業利益と経常利益は従来の減益予想から一転して増益予想とした。修正後の通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が74.7%、営業利益が82.5%、経常利益が82.8%、そして親会社株主帰属当期純利益が90.4%となる。クラウドサービスの伸長や積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は底打ち

株価は地合い悪化の影響で昨年来安値を更新する展開だったが、売り一巡して反発の動きとなり、さらに上方修正も好感して戻り足を速める形となった。指標面の割安感も強めており、底打ちして出直りを期待したい。2月4日終値は1278円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS143円55銭で算出)は約9倍、時価総額は約445億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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