フライトホールディングスは22年3月期3Q累計赤字縮小、通期予想は下方修正

(決算速報)
 フライトホールディングス<3753>(東2、新市場区分スタンダード)は2月10日の取引時間終了後に22年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。サービス事業の大型案件納品完了などで2桁増収となり、各利益の赤字幅が縮小した。通期予想は下方修正した。半導体不足の影響、無人精算機向け「VP6800」の出荷・設置遅れ、ECソリューション事業における大型開発案件の開発スケジュール遅延などが影響するようだ。ただし有望案件が目白押しであり、23年3月期の収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化も影響して昨年来安値を更新する展開だ。目先的には下方修正を嫌気する動きが優勢になる可能性もあるが、下値限定的だろう。

■22年3月期3Q累計は2桁増収で赤字縮小、通期予想は下方修正

 22年3月期第3四半期累計連結業績(収益認識会計基準適用だが損益への影響なし)は、売上高が前年同期比14.4%増の20億26百万円、営業利益が1億08百万円の赤字(前年同期は5億77百万円の赤字)、経常利益が1億08百万円の赤字(同5億91百万円の赤字)、親会社株主帰属四半期純利益が1億10百万円の赤字(同5億97百万円の赤字)だった。大型案件の納品完了などで2桁増収となり、各利益の赤字幅が縮小した。

 C&S事業は売上高が40.1%増の6億10百万円で、営業利益(調整前)が3百万円の赤字(同1億91百万円の赤字)だった。前期にプロジェクト損失を計上した反動で赤字幅が縮小した。サービス事業は売上高が5.9%増の12億58百万円で、営業利益が1億41百万円の黒字(同1億86百万円の赤字)だった。顧客都合で前期から期ズレとなっていた電子決済ソリューション「Incredist」大型案件の納品が完了した。ECソリューション事業は売上高が7.6%増の1億57百万円で、営業利益が40百万円の赤字(同6百万円の黒字)だった。大型開発案件の開発スケジュール遅延で受注損失引当金を計上した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が10億67百万円で営業利益が1億84百万円、第2四半期は売上高が5億17百万円で営業利益が1億38百万円の赤字、第3四半期は売上高が4億42百万円で営業利益が1億54百万円の赤字だった。

 通期の連結業績予想は2月10日付で下方修正した。半導体不足の影響を考慮して電子決済ソリューション「Incredist」シリーズの新規顧客向け受注を控えたこと、無人精算機向け「VP6800」の出荷・設置が計画に対して遅れていること、電子マネーに関する検定機関が混み合っているため「Incredist Trinity」の検定が進まなかったこと、ECソリューション事業の大型案件開発スケジュールが遅延して受注損失引当金を計上したことなどが影響するようだ。

 修正後の通期連結業績予想は売上高が21年3月期比6.0%減の32億円、営業利益が20百万円(21年3月期は2億69百万円の赤字)、経常利益が0百万円(同2億75百万円の赤字)、親会社株主帰属当期純利益が0百万円(同2億82百万円の赤字)としている。

 22年3月期予想は下方修正となったが、有望案件が目白押しであり、23年3月期の収益拡大を期待したい。なおハードウェア製造に依存しないビジネスであるAndroid携帯を活用した決済ソリューション「Tapion」については、23年3月期第2四半期にサービスイン予定としている。

■株価は下値限定的

 株価は地合い悪化も影響して昨年来安値を更新する展開だ。目先的には下方修正を嫌気する動きが優勢になる可能性もあるが、下値限定的だろう。2月10日の終値は391円、そして時価総額は約37億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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