ジェイテックは23年3月期利益予想を上方修正

(決算速報)
 ジェイテック<2479>(東証グロース)は1月31日に23年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。技術職知財リース事業においてテクノロジストの稼働率が高水準に推移し、テクノロジストの平均単価上昇、全社的な業務効率化なども寄与して営業黒字転換した。そして通期の利益予想を上方修正した。積極的な事業展開で収益改善基調だろう。株価は上方修正を好感して急伸し、一気に昨年来高値を更新した。モミ合いから上放れた形であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■23年3月期3Q累計営業黒字転換、通期利益予想を上方修正

 23年3月期第3四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比7.9%増の23億84百万円、営業利益が1億39百万円の黒字(前年同期は1億10百万円の赤字)、経常利益が92.8%増の1億74百万円、親会社株主帰属四半期純利益が2.1倍の1億10百万円の黒字だった。

 コロナ禍の影響が和らいでテクノロジストに対する需要が回復傾向となった。そしてテクノロジストの稼働率が高水準に推移し、高付加価値業務への配属やローテーション等の施策によるテクノロジストの平均単価上昇、全社的な業務効率化やコスト削減策なども寄与して営業黒字転換した。なお営業外収益では助成金収入35百万円を計上したが、前年同期(1億73百万円計上)との比較では減少した。また第3四半期に、繰延税金資産取崩に伴う法人税等調整額(損)31百万円を計上した。

 技術職知財リース事業は売上高が8.0%増の23億58百万円で、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が2.5倍の3億99百万円だった。テクノロジストの稼働人員数増加と平均単価上昇で増収・大幅増益だった。一般派遣およびエンジニア派遣事業は売上高が1.7%増の25百万円で、利益が5百万円の黒字(前年同期は15百万円の赤字)だった。コロナ禍の影響で売上高は横ばいだが、販管費の削減で黒字転換した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が7億82百万円で営業利益が25百万円の黒字、第2四半期は売上高が7億96百万円で営業利益が9百万円の黒字、第3四半期は売上高が8億06百万円で営業利益が1億05百万円だった。第3四半期に営業損益が大幅改善した。

 通期の連結業績予想(1月31日付で売上高を下方、各利益を上方修正)は、売上高が22年3月期比7.0%増の32億円、営業利益が1億75百万円の黒字(22年3月期は1億18百万円の赤字)、経常利益が83.1%増の2億15百万円、親会社株主帰属当期純利益が95.8%増の1億18百万円としている。配当予想は22年3月期と同額の1円(期末一括)としている。

 前回予想に対して、売上高を3億円下方修正したが、利益面は営業利益を35百万円、経常利益を60百万円、親会社株主帰属当期純利益を25百万円それぞれ上方修正した。売上面では技術職知財リース事業の需要回復が想定を下回るペースだが、利益面ではテクノロジストの稼働状況が順調であり、テクノロジスト平均単価の上昇、継続して取り組んでいる全社的なコスト削減活動なども寄与する見込みだ。

 修正後の通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が74.5%、営業利益が79.4%、経常利益が80.9%、親会社株主帰属当期純利益が93.2%となる。積極的な事業展開で収益改善基調だろう。

■株価は急伸して昨年来高値更新

 株価は上方修正を好感して急伸し、一気に昨年来高値を更新した。モミ合いから上放れた形であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。2月1日の終値は309円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS14円84銭で算出)は約21倍、今期予想配当利回り(会社予想の1円で算出)は約0.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS117円52銭で算出)は約2.6倍、そして時価総額は約26億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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