【注目銘柄】TDCソフトは業績再上方修正・再増配の反応不発も記念増配を催促して逆張り余地

注目銘柄

 TDCソフト<4687>(東1)は、今年2月24日に今2020年3月期業績の2回目の上方修正と増配を発表したが、この業績再増額でも四半期ベースの利益は伸び悩むとして株価反応は限定的にとどまり、1000円大台を出没した。ただ投資採算的には、通期純利益が連続した過去最高を更新して売られ過ぎを示唆しており、今年10月に創業60周年を迎え、記念増配の実施を催促する展開も想定され逆張りも一考余地がありそうだ。テクニカル的にも、25日移動平均線と75日移動平均線の間で三角保ち合いが煮詰まり感を強めていることも、上放れ期待を高め買い手掛かり材料視されよう。

■コロナ禍でデジタル化が強まり高機能価値SIサービスが計画超

 同社の今3月期業績は、昨年9月の上方修正値が今年2月に再上方修正された。売り上げを18億円、営業利益を2億円、経常利益を2億2000万円、純利益を1億7000万円それぞれ引き上げ、売り上げ308億円(前期比12.8%増)、営業利益29億5000万円(同25.1%増)、経常利益30億3000万円(同18.1%増)、純利益20億5000万円(同19.8%増)と見込んでいる。新型コロナウイルス感染症の感染が広がるなか、デジタル化ニーズが高まり、高機能価値SIサービスが計画を上回る進捗を示し、ITコンサルティングサービスではITサービス管理やクラウドマネージドサービス、金融ITソリューションではクレジット関連の開発、公共法人ITソリューションでは運輸業、通信業向け開発のそれぞれ案件が堅調に推移したことなどが要因となっている。

 今期配当は、昨年9月の業績上方修正時に期初予想の年間24円を26円(前期実績24円)へ増配したが、さらに30円に再増配を予定している。なお再上方修正された今5月期通期業績から逆算すると第4四半期(2022年1月~3月期4Q)の利益は、第3四半期(2021年10月~12月期、3Q)より伸び悩むことになるが、通期純利益の水準そのものは、前期の過去最高(17億1100万円)を連続して更新し、市場コンセンサスも上回っている。

■25日線と75日線との間の三角保ち合いを上放れ昨年9月高値目指す

 株価は、今期第1四半期の大幅続伸業績を評価して昨年来高値1508円まで400円幅の急伸を演じ、9月の1回目の業績上方修正・増配でも1492円高値をつけたが、その後の四半期決算の発表や2回目の業績上方修正では四半期利益が伸び悩むとして75日移動線がカベとなって押し戻され下値を探る展開が続き967円安値まで調整した。PERは12.7倍と売られ過ぎを示唆しており、テクニカル的にも25日移動平均線が上昇転換して75日線との間の三角保ち合いに煮詰まり感を強めている。三角保ち合い上放れからまず昨年9月高値1492円奪還を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る