【注目銘柄】日本パレットプールは「2024年問題」関連株人気を2期ぶり最高純益更新が支援

■上昇トレンド転換を示唆

 日本パレットプール<4690>(東証スタンダード)は、パレットレンタルの一社として物流業界で大きな経営テーマとなっている「2024年問題」の関連株の一角に位置しており、この関連株買いを今2023年3月期業績が上方修正され、3期ぶり過去最高純利益更新の更新幅を拡大すると見込まれていることが支援材料となっている。テクニカル的にも、25日移動平均線が75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆しており、下値支持線の25日線での値固めに煮詰まり感を強めていることも、一段高の期待を高めている。

■一貫パレチゼーションの導入が増えネステナーなど物流機器も好調

 「2024年問題」は、トラックドライバーの長時間労働・劣悪な労働環境を改善するために働き方改革法でトラックドライバーの残業時間を年間900時間以内に制限する規制で、2024年4月1日から中小企業にも適用される。トラックドライバーの長期間労働の要因の一つとなっているのが、物流現場での荷待ち時間の長期化やバラ積み・ばら降ろしによる物流の非効率化とされており、この課題解決にパレットによる荷役や、積み地から目的地まで輸送する同社の「一貫パレチゼーション」が期待されており導入企業が増加している。またパレットレンタルだけでなく、ネステナー(棚式ラック)やフォールド・デッキなどの物流機器の取り扱いも増加している。

 こうした好事業環境下、同社の今2024年3月期業績は、今年1月25日に上方修正され期初予想より売り上げを14億円、営業利益を2億5000万円、経常利益を2億3000万円、純利益を2億5000万円それぞれ引き上げ、売り上げ72億円(前期比1.5%増)、営業利益9億5000万円(同2.06倍)、経常利益10億3000万円(同59.0%増)、経常利益7億5000万円(同2.74倍)とV字回復が見込まれている。純利益は、前期に計上した減損損失が一巡し過去最高の4億5200万円(2021年3月期)を大幅に更新する。

■GC示現でPER4倍、PBR0,7倍の修正に弾みをつけ権利落ち埋めも有望

 株価は、今期業績のV字回復予想で1406円と高値反応したあと、好調な四半期決算発表のたびに上値を追い、今期業績の上方修正ではストップ高を交えて昨年来高値2462円まで買い進まれ、上昇トレンド転換示唆のGCを示現したた。同高値後はいったん25日線で下値を確認する2017円まで調整したが、今期第3四半期の高利益進捗業績を受けて持ち直し戻りを窺っている。PERは4.79倍、PBRは0.70倍となお割安であり、昨年来高値抜けから2021年6月30日割り当てで実施した株式分割(1株を2株に分割)の権利付き最終値2739円奪回の権利埋めを目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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