【狙い場・買い場】シグマクシスの業績に明るさ、利回り4%で中期狙いに最適

狙い場・買い場

シグマクシス(6088・東マ・売買単位100株)は2016年3月期(来期)の収益回復を材料に、本格的な反騰局面に突入する公算が大きい。下押し場面は絶好の拾い場と判断したい。

戦略の立案から業務改善・システム導入まで一貫サポート体制に特色がある。2015年3月期(今期)はシステム構築事業で、これまでの「カスタム開発」から「クラウドサービスとパッケージソフト活用」へのシフトが想定以上に時間が掛かり、営業活動に悪影響が発生した。このため、今期の経常利益を当初予想の9億円から収支トントンへ下方修正を余儀なくされる見通しだ。

これを受けて、株価は2014年8月の906円から10月には422円と急落した。しかし、これで悪材料は完全に織り込んだと判断できる。その後、12月には600円台を回復したものの、今後の業績見通しが不透明なことや、需給関係の悪化が嫌気されて、再び400円台の底値圏で推移している。

こうした展開も終わりつつある。なぜなら、来期の業績見通しに明るさが出始めてきたからだ。クラウド型サプライチェーン・プランニングなどオファリング開発が軌道に乗り、クラウド上の経営支援サービスが本格化する可能性が高まってきた。

このため、2016年3月期(来期)の業績は売上高90億円(今期予想比13.2%増)前後、営業利益6億円(今期予想ゼロ)前後、経常利益6億円(同ゼロ)前後、当期純利益4億円(同ゼロ)前後を確保するという見方が一部に出ている。この時の予想一株当たり利益は20円強となる。

また、特筆すべきは配当である。今期の収益が経常、最終段階でいずれも収支トントンにかかわらず、今期末に年間12円を実施する意向だ。普通の会社なら利益が出なければ、配当は見送るケースが大半である。それでも同社は今期、配当を行なうのは、今後の業績見通しに対して自信を持っている証拠なのである。

来期の予想一株当り利益で計算したPERは24倍、配当利回りは4%と高い。このため3月末に向けて、今後は配当の権利取りの動きを強めてくるものとみられる。また、同社株は2014年12月30日から貸借銘柄として取引することが出来るようになり、商いが一段と活発化することが予想される。現在、信用買い残高は80万株強あり、これが上値を圧迫するという指摘がある。

しかし、来期の業績見通しが明るいことを買い材料にして、買いエネルギーが膨らんでこよう。となると、信用取引の回転が効きはじめ、むしろ需給関係は逼迫することになろう。600円台での活躍が期待される。(志木克己)

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