【注目銘柄】コスモ・バイオは年初来高値を視野、業績上方修正とPCR関連人気がダブル効果

注目銘柄

コスモ・バイオ<3386>(JQS)は、前日27日に54円高の1309円と高値引けで急反発し、今年2月17日につけた年初来高値1412円を視界に捉えた。同社株は、前週21日に今2020年12月期業績の上方修正を発表したが、株価は、織り込み済みとして反落しており、改めて上方修正された今期純利益が9期ぶりに過去最高を更新することを見直し割安修正買いが再燃した。新型コロナウイルス感染症のPCR検査キットを販売していることも、新型コロナウイルス感染症の新規感染者が再拡大していることからフォローの材料視されている。

■投資有価証券の売却益もオンして9期ぶりに最高純益を更新

 同社の今2020年12月期業績は、期初予想より売り上げを5000万円、営業利益を1億6000万円、経常利益を1億7000万円、純利益を2億3000万円それぞれ引き上げ、売り上げ78億円(前期比2.7%増)、営業利益5億9000万円(45.6%増)、経常利益6億6000万円(同40.4%増)、純利益5億4000万円(同2.27倍)と増収増益率を伸ばす。新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で営業活動などを自粛、経費が圧縮されたことが寄与した。純利益は、投資有価証券の売却益1億9000万円を計上することから、2011年12月期の過去最高(4億5800万円)を9期ぶりに更新する。

 同社は、今期の想定レートを1ドル=110円に設定しており、足元の為替レートは、1ドル=105円台の円高推移となっていることから、円高が、仕入原価安やコスト安要因として寄与する。また、今年5月に発売した新型コロナウイルスのPCR検出キットは、唾液を検体として検査することも可能と確認していることも加わり、業績再上ぶれ期待も高めている。

■コロナ関連株人気も加わり低PER修正で年初来高値を抜け高値挑戦

 株価は、今年2月に今期業績の続伸・増配予想で年初来高値1412円まで買い進まれたが、パンデミック(世界的な大流行)となったコロナ禍の影響で年初来安値695円まで大幅調整した。同安値からは、好調推移となった四半期決算を手掛かりにPCR検査関連株人気も加わり1335円の戻り高値まで92%高し、25日移動平均線水準固めを続けてきた。今回の業績上方修正では、前期業績も昨年7月に上方修正され高値が1273円にとどまったことを連想して利益確定売りが先行した。業績再上ぶれ含み、コロナ関連人気からPER14倍台の割安修正の上値チャレンジが有望で、戻り高値抜けから年初来高値を奪回し、次の上値フシとして2016年9月高値1710円が意識されよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る