TDKは独自のAIデータ分析プラットフォーム「Aim」を開発し社内運用を開始、材料開発の高速化・高効率化を目指す

■「Aim」の運用により、中長期的な材料開発のための基盤を構築

 TDK<6762>(東証プライム)は5月23日、マテリアルズ・インフォマティクス(MI)推進の一環として、独自のAIデータ分析プラットフォーム「Aim」を開発し、2023年4月から社内運用を開始したと発表。

 同社は独自の材料技術を磨き上げることで、受動部品をはじめとする各製品の材料開発のためのデータ解析技術を蓄積してきた。その一方で、その技術は各事業部や各部署の中で蓄積され、全社に展開する点において課題があった。

 近年、AIやビッグデータを活用し、材料開発を高効率化するMIが世界的に注目を集めている。同社でも2013年からMIの取り組みを開始し、磁石材料開発や、誘電体材料開発への適用などを進めるとともに、Aimの開発を2018年から開始した。

 Aimは、各部署に蓄積されたデータ解析技術を誰にでも使いやすいように広く全社に展開すること、AIやビッグデータ活用で必要となる良質なデータを集積すること等を目的として開発した独自のAIデータ分析プラットフォーム。

 2019年以降、Aimを日本国内で試験的に導入し、材料の画像解析において高速・高精度な解析に活用してきたほか、MIでの本格導入に向けて機能拡充を進めてきた。

 データ解析やデータベース等の機能拡充を実施し、MIを活用する仕組みが整ったことから、MIにおけるAimの運用を2023年4月から開始した。当初は国内の研究部門で運用し、その後は国内外の各拠点に広く展開していく予定。運用を通じて効果を検証しながら、今後もより効率的なMIの仕組みづくりを継続していくとしている。

 「Aim」の運用等により材料開発に係る社内DXを進め、TDKにおけるMI推進を加速することにより、同社独自の材料技術を継続的に進化させ、価値ある技術と製品を提供していく。

■Aimの特長と利点

•独自のAIデータ分析プラットフォーム(社内で培ったデータ分析技術を集約)
•主な活用方法:「データ解析」「粒子解析」「画像解析」
•AIを用いた高速・高精度な解析が可能
•Aimの社内運用により材料開発の高速化、高効率化を目指す

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