丸紅、カナダ・Pembina Pipeline Corporationとの低炭素アンモニアサプライチェーン構築に係る本格的な事業化調査を開始

 丸紅は30日、カナダの大手エネルギーインフラ事業者のPembina Pipeline Corporation(Pembina社)と、カナダからの低炭素アンモニアサプライチェーンの構築に係る本格的な事業化調査を開始すべく共同開発契約を締結したと発表。

 同事業では、カナダの内陸部であるアルバータ州・エドモントン近郊のアルバータ工業地区に位置するPembina社が保有するサイトにおいて、同州の豊富な天然ガスを用いて年間100万トン規模のアンモニアを生産し、生産過程で排出されるCO2についてはCCS・CCU(※)にて削減する。

 今後、一連のサプライチェーンの事業性を検証していくが、生産したアンモニアを低炭素アンモニアとして、カナダ西海岸輸出港へ貨車輸送後、日本・韓国などの東アジアの発電所をはじめとした需要家向けに海上輸送する。東アジアの需要家にとってカナダ西海岸から輸送する同事業は、中東や米国などからの輸送と比較して航海距離が短いことから、エネルギーセキュリティ上の地理的優位性を有している。

 同事業は丸紅とPembina社が対等の立場で資金拠出し、共同開発を推進するもので、2024年初めに本事業を完了させ、2025年後半の最終投資決定、2028年後半の生産開始を目指している。

(※)排出されるCO2を回収し、貯留(CCS: Carbon dioxide Capture and Storage)、または有効活用(CCU: Carbon dioxide Capture and Utilization)する技術。

 丸紅は、同事業を通じて、日本・カナダ両国の政府と連携しながら、両国が掲げる大規模水素・アンモニアサプライチェーンの構築に向けた先駆者として尽力し、日本のエネルギー安全保障に貢献するとともに、両国の脱炭素化に向けた取組みを推進していくとしている。

【Pembina社概要】
・名称:Pembina Pipeline Corporation
・所在地:カナダ・アルバータ州
・設立:1954年
・事業内容:エネルギーインフラ事業
(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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