【村山貢司の気象&経済歳時記】日本は本当の意味で観光立国となってきた

村山貢司の気象&経済歳時記

平成26年に訪日した外国人は1300万人余りになり、これらの人たちが日本国内で消費した金額は2兆円を超えた。平成23年が8135億円であるから、たった3年間で2.5倍に増加したことになる。最も多くの金を使っているのは中国人でおよそ23万円、次いで米国人16.5万円、以下シンガポール、香港(統計上中国本土とは別に扱っている)、タイ、などで14~16万円である。訪日数で上位にある韓国であるが、韓国人の消費は7.6万円になっている。

これらの国の中で注目されるのがタイで、訪日数が5年ほど前から急増し、現在第5位である。消費金額も他の国と匹敵するまでになっている。タイの特徴は経済成長の中で国民への分配率が高く、所得中間層が全体の60%前後になっていることで、これがタイの成長や消費を支えていることであろう。

■温泉、食事、買い物の3点セット提供が大切

中国人の買い物は大型家電店がニュースで紹介されているが、実際はデパートと100円ショップ、マツキヨなどの安売りの店に2分されている。東京都内のこれらの店舗はここ数年で多くの店が免税店になってきている。観光庁の調べでは、訪日観光客の目的は、温泉、食事、買い物が上位を占めており、外国人観光客の受け入れにはこの3点セットが必要であることを忘れてはならない。

平成27年の1月から5月までの訪日外国人は750万人余りで、前年比45%の増加になっている。一方、この期間に海外に出国した日本人の数は672万人で、観光立国を目指して以来初めて入国者が多くなり、本当の意味で観光立国日本になってきた。(村山貢司=気象予報士・経済評論家)。

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